お金をうまく貯めている人は、このポイントを押さえていると家計相談の場面で実感することがあります。それは、「節約」「投資」「保険」についてです。きちんと自分の家計を把握したからこそできることでもありますが、どのように取り組んでいるのか、まとめてみました。

「節約」は無理なく楽しむ

支出状況が把握できると、どの支出を削減できるかも見えやすくなります。削減するためには、ある程度節約を意識することが必要なのですが、上手な人は「自分なりの節約ルール」をきちんと設けることができています。

洋服を買うときは、自分の手持ちの洋服と合わせられるかどうかを考え、日用品は在庫がどのくらいあるかを確認してから買い物に出かけるなど、自分が無理なくできるルールです。

食費を削るために食べることを我慢するとか、生活に不自由を感じるほど、水道や電気の使い方を制限するなどはしません。途中で挫折しやすく、長続きしにくいからです。

もし、節約ばかりで楽しみがないという場合は、あえてムダ遣いをしてもよい小銭などが入った浪費専用の財布を作って、ストレス発散する人もいます。

カードの使い方、家計簿の使い方にもマイルールを用いて、上手に、少しゆるく管理して楽しんでいるのです。

「投資」は貯蓄と並走で

お金を貯めることが上手な人は「貯蓄で貯める」にこだわらず、うまく投資を取り入れている人が多いものです。毎月の余剰金の全部を貯蓄するとか、全部を投資するとか極端なやり方はしません。貯蓄が少ないと感じている人は貯蓄の金額を多めに取りながらも、一部を投資していくやり方で、生活防衛資金を作りながらコツコツ投資をしています。

投資は危険、こわいといった先入観を持っていないことも特徴です。リスクがあることは承知の上で、リスクが少ない投資があるということを知っています。投資はコツコツ積み立てるものという意識をもっている人も多いので、少しでも長い期間、積立投資を続けたいとも考えています。

こういう方法は、たとえ金額が少なくても、複利の効果で20年後、30年後、大きな効果が期待されます。すぐに元本の2倍、3倍となるわけではありませんが、預貯金の金利とは比べものにはならないほどの増え方となる場合もあります。

そうして、次第に預貯金が増え生活を守る蓄えができたら、投資額を増やしていきます。人によっては、積立投資を通してある程度投資のことが分かってから、他の興味ある金融商品をやってみる人もいます。たとえば個別銘柄の株式を買ってみようなどです。諸々を理解したうえで、徐々に投資の幅を広げていくのです。

「保険」は保障と貯蓄を分けて考える

お金をうまく貯めている人は、保険にも抜かりがありません。学資保険や個人年金保険といった、いわゆる貯蓄タイプの保険は満期になるまでおろしにくいので、流動性の低い貯蓄となっていることを多くの方は気がついています。また、私も家計相談の場で話していますが、インターネットで「インフレリスク」の情報も知ることができます。つまり、「このまま保険で貯めていていいの?」と思ってしまうのです。

この疑問を持たれることは正しいことだと思います。保険は「必要な保障」の分だけを利用した方がいいかも…などと考えることが大切です。「保険で貯める=ナンセンス、否定」ではなく、柔軟に広い視点で貯めるなら何がいいのだろうか?自分にあった貯め方は?と考えましょう。貯めるなら保険だ!という安易な構図だけでの判断はどうかと思うのです。

つまり、貯蓄は貯蓄として貯め、保険では保障を求める。これがお金の無駄を省くこととなるのです。

お金をうまく貯める人は、考え方が柔軟です。こうでなくてはいけない、という頑固な考えは持っていないのです。そのうえで、自分で納得がいくように情報を得て、選択し、行動します。皆さんも一度頭をフラットにして、自分には何ができるか、考えてみてください。