【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 26218.13  △39.00 (4/3)
NASDAQ: 7895.55  △46.86 (4/3)

1.概況

米国市場はワシントンで閣僚級の米中貿易協議が再開されるなか最終合意が近いとの報道を受けて上昇しました。ダウ平均は58ドル高でスタートするとまもなくしてマイナスに転じましたが、下げ渋ると切り返し昼前には103ドル高まで買われました。その後ダウ平均は午後に入って上げ幅を縮め取引終盤に再び下落に転じる場面もありましたが、引けにかけて持ち直すと結局39ドル高の26,218ドルと反発して取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も46ポイント高の7,895ポイントと5日続伸となっています。

2.経済指標等

3月のADP全米雇用リポートで民間部門雇用者数は12万9000人増に止まり市場予想を下回りました。また、3月の米ISM非製造業景況感指数も56.1と前月から低下し市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや生活必需品、資本財・サービスなどの6業種が下げ、エネルギーは1%近い下落となりました。一方で素材や情報技術、一般消費財・サービスなどの5業種が上げ、素材は1%を超える上昇となっています。

4.個別銘柄動向

半導体受託生産の世界最大手である台湾のTSMCが半導体の生産を加速させているとの報道を受けて半導体関連株が買われました。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が8%を超える上昇となったほか、マイクロン・テクノロジー(MU)とエヌビディア(NVDA)も3%以上上げています。また、インテル(INTC)も2%を超える上昇となっています。こうしたなかフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が2%以上上昇し過去最高値を更新しています。

また、投資判断と目標株価の引き上げを受けてカジュアル衣料のアーバン・アウトフィッターズ(URBN)が3%を上回る上昇となっています。

一方でたばこ大手のアルトリア・グループ(MO)が米食品医薬品局(FDA)が電子たばこの使用で脳の発作が起きた案件を調査していると発表したことで5%近く下げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.05%高い2.52%となりました。ドル円111円台半ば近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて堅調なスタートが予想されます。利益確定の売りが出やすいなかで日経平均が一日を通して堅調さを維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)