NYダウ: 26385.28 ▼106.93 (9/26)
NASDAQ: 7990.37 ▼17.11 (9/26)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は下落しました。朝方から小幅高で推移していたダウ平均はFOMCの結果を受けての金利低下を好感して一旦110ドル高余りまで上げ幅を広げましたが、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が会見で貿易摩擦への懸念を表明するとマイナスに転じ下げ幅を広げる展開となりました。取引終了間際に140ドル安余りまで売られる場面もあったダウ平均は結局106ドル安の26,385ドルと3日続落となりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も17ポイント安の7,990ポイントと3日ぶりの反落となっています。
2.経済指標等
米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利は市場の予想通り0.25%引き上げられました。注目された参加メンバーによる政策金利の見通しからみた利上げ回数は今年があと1回、2019年が3回、2020年が1回と前回の見通しが維持されましたが、新たに発表された2021年末の金利見通しが2020年末から横ばいとなり利上げが2020年で打ち止めとなる可能性が示されました。また、8月の米新築住宅販売件数は年率換算で前月比3.5%増の62万9000戸に止まり市場予想を下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が下げ、金融と不動産、公益事業、素材が1%を超える下落となったほか、エネルギーも1%近く下げました。一方で通信サービスやヘルスケアなどの4業種が上げています。
4.個別銘柄動向
投資判断の引き上げを受けてIBM(IBM)が2%近く上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。また、小型カメラのゴープロ(GPRO)も投資判断の引き上げを好感して4%以上上げたほか、メディア大手のバイアコム(VIAB)も投資判断の引き上げを受けて4%近く上げています。さらにウォルト・ディズニー(DIS)が1%を上回る上昇となりました。21世紀フォックス(FOXA)のコンテンツ事業の買収を予定するなか21世紀フォックスが保有する英有料放送局を売却したことで引き継ぐ負債が大幅に減る見通しとなったことが好感されました。一方で投資判断の引き下げを受けてダウ・デュポン(DWDP)が1%を超える下落となり、長期金利の低下を受けてゴールドマン・サックス(GS)とJPモルガン・チェース(JPM)も1%以上下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.04%低い3.05%となりました。ドル円は円高に振れ112円台後半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は米国株安と円高を受けて下落してのスタートが予想されます。短期的な過熱感も意識されるなかで日経平均が下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)