NYダウ: 25162.41 ▼137.51 (8/15)
NASDAQ: 7774.12 ▼96.78 (8/15)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場はトルコ政府が一部の米国製品に適用する輸入関税を大幅に引き上げると発表したことで米国とトルコの対立激化が懸念され反落となりました。64ドル安でスタートしたダウ平均は大きく下げ幅を広げると節目の25,000ドルを割り込み334ドル安まで売られました。昼過ぎに一旦180ドル安程度まで持ち直したダウ平均はその後再び下げ幅を広げましたが、25,000ドル近辺で下げ渋ると引けにかけて下げ幅を縮め結局137ドル安の25,162ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も96ポイント安の7,774ポイントとなっています。
2.経済指標等
4-6月期の米労働生産性指数速報値は年率で前期比2.9%上昇し市場予想を上回りました。7月の米小売売上高も前月比0.5%増となり市場予想を上回っています。8月のニューヨーク連銀製造業景況指数も25.6となり市場予想を上回りました。一方で7月の米鉱工業生産は前月比0.1%上昇に止まり市場予想を下回りました。設備稼働率も前月と変わらずの78.1%となり市場予想を下回っています。6月の米企業在庫は前月比0.1%増となり市場予想と一致しています。8月の全米住宅建設業協会(NAHB)の住宅市場指数も67となり市場予想と一致しました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が下げ、そのなかでもエネルギーが3%を超える下落となったほか、素材と一般消費財・サービス、情報技術も1%以上の下げとなっています。一方で不動産や公益事業など4業種が上げています。
4.個別銘柄動向
決算で売上高が減収となった百貨店のメーシーズ(M)が急落し16%近く下げました。また、原油価格の下落を受けてシェブロン(CVX)が4%近く下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなったほか、エクソンモービル(XOM)も2%近く下げています。さらに中国のネットサービス大手の騰訊控股(テンセント)の減益決算を受けてグーグルの持ち株会社のアルファベット(GOOGL)やアマゾン・ドット・コム(AMZN)が2%前後の下げとなったうえ、フェイスブック(FB)も1%近く下げています。一方で外食のチポトレ・メキシカン・グリル(CMG)が投資判断と目標株価の引き上げを受けて6%以上上げています。日用品大手のキンバリー・クラーク(KMB)も販売価格の引き上げを発表したことで5%近く上昇しました。
5.為替・金利等
長期金利は0.04%低い2.86%となりました。ドル円は110円台後半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は米国株安と円高を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の22,000円を維持できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)