サンプラザ中野だー!

 いやっほー!俺はギターがほとんど弾けない。でも今また性懲りもなくギターの練習をしている。俺がギターを弾き始めたのは中学校2年生。今を去ること30年も前の話だ。母から5000円もらって、柏の楽器店・中○屋へと出かけた。そのまま素直に中○屋へ行けばよかったのだ。しかし俺は迷った。中○屋に行く前に柏の裏道を徘徊した。その時、見つけてしまったのだ。軒先にギターが数本吊り下げられた怪しげな店を。俺は引き寄せられるようにその店に足を踏み入れた。中には様々な物が置かれていた。例えばステレオ・アンプ・レコード。ギターも天井から何本も下げられていた。俺はいく本かのギターを見て驚いた。値段にだ。安いのである。いろいろ調べを進めていた俺の眼力に間違いはない。あきらかに定価よりも安かった。そして定価2万5千円くらいの全音というメーカーのギターを5000円で購入してしまったのだ。後で知ったが、その店は質屋だった。

 最初はまったく弾けなかった。頑張って弾いた。左手の指先が痛くなった。弦を押さえる部分である。友達に相談した。「最初は誰でも痛くなる」と友は言った。痛みをこらえて弾いた。しばらくして痛みは薄れた。でも中々上達しなかった。弦を押さえるのが苦痛だった。指先の痛みは引いてきていた。しかしひどく左手が疲れるのだ。こんなに力のいる楽器なのか、と思った。指先が緑青で緑色になる日々を過ごした。弦を変えるということを知らなかったから。しかしいつまでたっても上手く弾けない。次第に俺はギターを弾くことを嫌いになっていった。

 高校生になって、友人が遊びに来た。ギターの上手い男だった。彼は俺のギターを手にして言った。
「こりゃー駄目だ。ネックがひどく反っている」
そうだったのだ。俺の中古のギターはネックが前側に曲がり、結果弦が指盤から大きく浮いていたのだ。浮いた弦は無理矢理にネックに押し付けねばならない。だから指先が痛んだのだ。左手が疲れたのだ。という原体験を持つ。なおかつ小児麻痺で右手があまり動かない。だからギターは何度チャレンジしても上達しなかった。

 しかし今回、光明が見えている。何故かYA○AHAのサイレントギターを買った。流石に株価良好のYA○AHAである。これが良いのである。久しぶりに弾いたら弾けたのだ。いつもより弾ける気がする。サイレントシリーズはボディがない。だから薄いし軽い。手軽に練習できる。音も小さい。夜でも弾ける。しかもヘッドホンで聞くと気持ちいい音がする。俺は今「大きな玉ねぎの下で」を練習中だ。そのうちお祝いの席などで弾きたい。などと野望を抱いているのだよ。

サンプラザ中野:数々の爆発的ヒット曲を生み出してきた「爆風スランプ」で活躍。現在新たに「サンプラザ中野とノンスモーカース」を結成。
自身のホームページでも意外な側面を見ることができる。
http://www.kk.iij4u.or.jp/~sunplaza/