サンプラザ中野だー!

補欠で何とか引っかかり、ぎりぎりで運の強さを自負していた。大量に当たった誰かのおこぼれにありつけるものと、高をくくって余裕のキャンセル待ちをしていた。しかしどうだ。結果はバツだ。俺は新○銀行のブックビルディングで、見事振り落とされた男なのだ。マネックススピードプラスによると、今(11am)着々と価格を伸ばし続けている。刻々と代わるその数字が、俺の心にむなしさを刻み続けていく。まるでバレンタインデーにチョコレートを一個ももらえなかった男子高校生のような気分だ。先ずは朝の下駄箱に期待。教室の机の中に期待。鍵の壊れたロッカーに期待。午前中の休み時間に期待。昼休み、午後の授業の合間、教室の移動。ちゃくちゃくと数を増やしていくモテ男くんを横目で眺めつつ。放課後の大逆転を夢に見つつ。

結局校内にはリアルな愛が無い事にやっと気付き、夕暮れ下校。その道すがらも周囲を気にしつつ。改札を抜け、ホームに降り立ち、車内でも周囲に気を配る。そしてうちひしがれて帰宅。それでも一応郵便受けの中はチェック。今日一日というものを無かった事にしよう、と決めたその時。「おかえりなさい」と母の声。「ちょっと目をつぶって、手を出して」。言われるまま目を閉じ手を差し出す。なにやらプラスチッキーな感触。「ハッピーバレンタイン」。母のやや浮ついた声に目を開けると、手の平には不○家のハートチョコレートが。ああ、お母さん。有り難いような、有り難くないような。嬉しいような、嬉しくないような。あなたの子供で良かったような、良くなかったような。何とも言えないチョコとピーナッツのハーモニーを味わいつつ、小声でつぶやく「ありがとう」。俺にとってのハートチョコレートはソフト○ンクだ。新生を買えなかったお金で買ってみた。ちょっとだけ騰がってるよ。

手に入れたみんなは今日からしばらく「お祭り」だ。サッカーも何とか白星発進だし。俺もちょこっと、あやかりてー。

サンプラザ中野:数々の爆発的ヒット曲を生み出してきた「爆風スランプ」で活躍。現在新たに「サンプラザ中野とノンスモーカース」を結成。
自身のホームページでも意外な側面を見ることができる。
http://www.kk.iij4u.or.jp/~sunplaza/