サンプラザ中野だー!
俺は最近ランニングを始めた。いわゆる「市民ランナー」である。一ヶ月ほど前にランニング専門誌の取材を受けた。クリールという雑誌だ。クリールの記者さんはこう言った。「RUNNER」は市民ランナーの間で常に人気が高い。RUNNERを頭の中でリピートさせながら走る人も多いのだ。そんな曲を歌った貴方が何故走らないのだ?と。

俺は言った。では走りましょう!
で、翌日から走り始めたというわけだ。もともと走るのが得意ではない。2〜3歳の時分に小児麻痺を患った。右半身麻痺だった。以来右手も右足も筋力が弱い。神経も鈍いようだ。バランスも悪いのだろう。走ると足が痛くなる。だが、言ったからには走らないわけにはいかない。クリールの方にアドバイスをもらった。とにかくゆっくり走ることを心がけるように、と言われた。
体育教育の悪しき影響だろう。走るとなると、できる限り速く走らねば気がすまない。張り切り過ぎてすぐにバテてしまう。そして「やっぱり走るのは辛いなぁ」と確認して走ることを諦める。これが今までのパターンである。読んでいる貴方もそうだろう。しかしクリールの方は「ゆっくり走」を強調したのである。ゆっくり走は身体の機能を上げる。着地時の衝撃も小さく、膝痛などの故障を回避できるという。

俺は元来動きが鈍い。ゆっくりには自信がある。俺は自信を持ってゆっくり走をはじめた。とにかくゆっくりだ。ハエがとまるほどである。前を歩いている人との距離が中々縮まらない。ゆえにミニスカートの女性の後ろなどを走ると気まずい。その足を見ていたいが為にワザとゆっくり走っていると思われているに違いない。ひたひたと足音が聞こえるのに、いつまでたっても追い越していかない。誤解されても仕方がないのである。

そんなことを考えつつもゆっくり走を週に3〜4回、一月やってみた。なんか楽しい。足が痛くなったりする。呼吸も苦しい、が何か楽しいのだ。これはどうやら自分自身との対話が面白いようである。自分自身の身体との対話である。自分の中を隅々まで点検していく感じだ。それが新鮮なのだ。ちょっとしたゲーム感覚である。大人になるのはいいものだ。若いうちはどうしても外に求めてしまう事が多いから。なーんてことも思ったりしている。

近々ハーフマラソンに挑戦する予定だ。
日経平均も無理せずゆっくり騰がった方が良いと思う、ぞ。

サンプラザ中野:数々の爆発的ヒット曲を生み出してきた「爆風スランプ」で活躍。現在新たに「サンプラザ中野とノンスモーカース」を結成。
自身のホームページでも意外な側面を見ることができる。
http://www.kk.iij4u.or.jp/~sunplaza/