日経平均は先週末に2万2600円台を回復して引けた。前週比では300円超の上昇である。毎回思い、そして毎回指摘していることだが、「○○ショック」(今回はもちろんトルコ・ショックである)というメディア報道に踊らされ過ぎである。先週のラジオで僕は言った。「トルコなんて1ミリも関係ないですから」と(1ミリという単位がおかしいけど、それは若者言葉として許容いただきたい)。そして相場は1週間でトルコ・ショックの前の水準を回復した。トルコ・ショックの引き金となったトルコと米国の関係はなんら改善していないにもかかわらずだ。
同じ理由で上海株の動向に振り回されるのはばかげているが、それは「相場だもの」仕方ないかもしれない。今週は中国企業の決算発表が多く出る。それらと中国製造業PMI(31日発表)などが材料となって上海株が急落するリスクには警戒が必要だろう。一方、前回下振れた反動で日本の鉱工業生産(31日発表)はポジティブな結果になるかもしれない。
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長はジャクソンホールの講演で「物価上昇率は2%を超えて過熱するリスクはみえない」と述べた。これを市場は、米経済の力強い成長が続くなかでも利上げペースを速めない姿勢を示唆したものと受け止めた。24日の米株式市場でダウ平均は133ドル高と3日ぶりに反発、S&P500は7カ月ぶりに過去最高値を更新した。ナスダック総合は7月25日に付けた過去最高値を約1カ月ぶりに更新した。一方、対主要通貨でドルが売られた割には円の上値は重かった。ニューヨーク外国為替市場で円相場は小幅に反発したものの1ドル=111円20~30銭と円高は限定的だった。
すなわち、リスクオン地合いがドルの弱気材料を押しのけて円高を抑えている構図だ。この投資環境のなか、週明けの東京市場も続伸して始まると思われるが、どこまで上値を追っていけるか。日経平均は主要な移動平均線をすべて回復、チャート的には上値抵抗は見えない。だからと言って2万3000円の壁を一気に試しにいくには材料不足か。今週は2万2000円台後半の値固めの動きとなろう。
トヨタ自動車のグループ4社が共同で自動運転の中核技術の外販に乗り出すと報じられた。デンソー(6902)やアイシン精機(7259)、ジェイテクト(6473)、そしてトヨタ(7203)にも注目したい。
今週の予想レンジは2万2500円-2万2900円とする。