※今週は広木の都合によりプロダクト部の益嶋が執筆しております。
先週の日経平均は週間で139円安と続落して2万円を割り込んだ。連邦公開市場委員会(FOMC)の声明文がハト派的と解釈され、ドル円が円高に振れたことから日本株は売られたが、好業績期待などを背景に下値では買いが入り引き続き膠着感の強い相場だったと言えよう。
重要経済指標の発表、企業決算、日米政治関連と今週は非常に材料が多い1週間だ。まず月末月初とあって重要な経済指標の発表が多い。中でも8月1日に発表される米個人消費支出(PCEコアデフレーター)、ISM製造業景況指数、4日の米雇用統計などが特に注目されるほか、3日にはイングランド銀行(BOE)の金融政策委員会が開催される。今回の会合で利上げが決定される可能性は低いとみられるが、英国の消費者物価指数(CPI)の前年比上昇率は既にBOEの目標である2%を上回っており、政策変更に向けた地ならしが行われるかもしれない。
また、引き続き日米の企業決算発表も注目である。日本企業は本日(31日)300社以上が発表を行うほか、4日にも再び300社以上が決算発表を行う。三菱UFJ(8306)などのメガバンク各行や自動車メーカー各社など市場センチメントへの影響が大きい企業の発表も行われる。また、日本時間2日の早朝に米アップル(AAPL)が第3四半期の決算発表を行う。米国株への影響はもちろんiPhoneの販売動向は日本の半導体関連企業への影響も大きく思惑売買が広がる可能性がある。
さらに、3日に安倍内閣の内閣改造が行われる。森友学園問題、加計学園問題、稲田防衛大臣の辞職と立て続けに起きた問題で安倍内閣の支持率は低下した。安倍総理の求心力低下やアベノミクスの停滞が指摘される中、内閣の顔ぶれを刷新することで支持率を回復できるかどうかは中長期的にも日本株、日本経済にとって非常に重要な問題である。こうした状況の中で週末に北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射した。共和党の一部議員が反対に回りオバマケアの代替法案が否決されるなど、苦しい政権運営を迫られているように映るトランプ政権が起死回生とばかりに北朝鮮に対して強気な姿勢を打ち出して地政学リスクが急速に高まる可能性も否定できない。
これらのリスク要因を警戒し、今週の日経平均の予想レンジは1万9500円~2万200円程度としたい。
マネックス証券 プロダクト部 益嶋 裕