円安阻止への介入方針は変わっていない

・160円が防衛ライン:当局は160円以上の円安を基本的に容認しておらず、その方針は現在も変わっていないと考えられる。

・国内の許容限界:160円を超える円安は、輸出企業を含めて国内経済にとってプラスにならず、もはや許容できない水準に達しているのではないか。

・日米の連携:米国もレートチェックに追随したなど、過度な円安阻止においては日米の利害が一致している。

・財政懸念の影響は限定的:「骨太の方針」などに対する財政規律への懸念から「介入しても止まらない」との声(170円到達説など)もあるが、当局が介入を諦めたわけではない。

次回の為替介入は「背水の陣」となる

・2回目の介入で決着をつけるパターン:2022年や直近の介入局面を見ると、1回目の介入で円安を食い止め、2回目の介入(+米CPI下振れや日銀の政策変更などのアシスト)でトレンドを反転させて決着をつける傾向がある。

・明確な水準変更が必須:155円程度までしか戻さない場合、すぐに円安が再燃してしまう。次回の介入では、最低でも150円まで円高に押し戻す明確な道筋をつける必要がある。

・介入資金の限界とタイミング:今回の介入局面ですでに11兆円規模の資金を使用しており、外貨準備高を考慮すると、追加で使えるのは実質5兆~10兆円程度(合計20兆円規模)と推測される。そのため、「これで最後」という覚悟で慎重にタイミングを計っている。

「7月の季節性」と投機筋のポジション解消が鍵

・7月は円高に反転しやすい:過去数年(2022年~)の月足チャートを見ると、7月に円高方向へ陰転するパターンが繰り返されている。

・夏休み前のポジション調整:8月からの海外大物トレーダーの長期休暇(ロングバケーション)を前に、これ以上の円安(165円や170円)が見込めないとなれば、リスク回避のために円売りポジションは手仕舞い(買い戻し)されやすい。

・歴史的な円売りポジションの積み上がり:現在の投機筋の円売りポジションは約15万枚に達しており、過去最大(2007年の18万枚)に迫る水準まで積み上がっている。

・為替介入による巻き戻しの連鎖:為替介入によって「夏の円安見通し」を打ち砕くことができれば、投機筋による大規模な円の買い戻しが殺到し、結果として一気に20円規模の急激な円高反転をもたらす起爆剤となるだろう。