先日、米国フロリダにある子会社トレードステーション(TradeStation)を訪問しました。タウンホールミーティングでは、当社グループのこれまでの歩みやTradeStationの成長、そして今期のグループ全体の方針について説明しました。TradeStationのロゴ入りポロシャツを着て皆の前で。
マネックス証券でも節目ごとに日経平均Tシャツを作りお客様にお配りしていますが、TradeStationは少し違います。自分たちで着たり使ったりするために、ロゴ入りのTシャツやフリース、文具などを作り、それを実に自然に、そして誇らしげに身につけています。訪問時もお揃いのポロシャツを着用している社員がいて、私もその場で着替えました。
日本では社名入りの服に少し気恥ずかしさを感じ、「制服」のように捉えがちですが、彼らにとってはそうではありません。むしろ、自分たちのアイデンティティを表現するものとして楽しんでいるように見えます。
帰国後、その話を日本の同僚にしたところ、ハッとする意見が返ってきました。「多民族国家で背景が異なる人たちが集まるアメリカでは、ロゴのような共通の印が「多様性の中の一体感」を支える役割を果たしているのではないか」というのです。なるほど!と腑に落ちました。
政治学者ベネディクト・アンダーソンは国家を「想像の共同体」と表現しました。直接会うことのない人々であっても、同じ共同体に属していると感じられるのは、言語や新聞・書籍といった印刷物、国旗などの共通の要素を通じて、同じ「想像」を共有できるからだと説いています。
加えて、米国は「あうんの呼吸」が通じにくい「ロー・コンテクスト文化」の社会です。だからこそ、背景が異なる多様な個人が共に働く場所では、目に見える形で所属を示すことが、安心感や連帯感を生む重要な役割を果たしているのかもしれません。
多様な個性が自由でありながら、一つのビジョンのもとに集う。そのとき初めて多様性は強さに変わる。フロリダの仲間たちの姿を思い出し、そんな風に振り返っています。当社グループでも、皆が自然と誇りを持てる「シンボル」を育てながら、グループとしての一体感を、より意識的に育てていきたいと思います。
