【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 35,225.18  △163.97 (7/20)
NASDAQ: 14,063.31  ▼294.71 (7/20)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均は市場予想を上回る決算を発表した銘柄を中心に買いが入り9日続伸となりましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数はハイテク株に売りが出て4日ぶりに反落となりました。30ドル高でスタートしたダウ平均は大きく上げ幅を広げ昼過ぎに311ドル高まで上昇した後伸び悩みましたが、その後も堅調に推移すると結局163ドル高の35,225ドルで取引を終えています。一方でS&P500株価指数が30ポイント安の4,534ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も294ポイント安の14,063ポイントとなり2%余りの下落となっています。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比9000件減の22万8000件となり悪化を見込んでいた市場予想に反して改善しました。一方で7月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数はマイナス13.5と前月から上昇しましたが市場予想を下回りました。6月の米中古住宅販売件数も年率換算で前月比3.3%減の416万戸となり市場予想を下回りました。6月の米景気先行指標総合指数も前月比0.7%低下の106.1となり市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が上げ、公益事業とヘルスケア、エネルギーが1%以上上昇しています。一方で4業種が下げ、一般消費財・サービスが3%を超える下落となり、コミュニケーション・サービスと情報技術も2%以上下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では決算が市場予想を上回ったジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]が6%余り上げたほか、ゴールドマン・サックス[GS]も3%高となりました。また、決算で1株利益が市場予想を上回ったIBM[IBM]に加え、ボーイング[BA]とメルク[MRK]も2%を超える上昇となっています。一方でハイテク株に売りが出るなかインテル[INTC]が3%余り下げ、セールスフォース[CRM]とマイクロソフト[MSFT]も2%を超える下落となりました。ナイキ[NKE]も2%以上下げています。ダウ平均構成銘柄以外でもハイテク株の下げが目立ち、決算を発表したテスラ[TSLA]が利益率の低下を嫌気した売りが出て9%を超える下落となり、ネットフリックス[NFLX]も決算で売上高が市場予想に届かなかったことから8%を上回る下げとなりました。フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ[META]とアマゾン・ドット・コム[AMZN]も4%前後の下落となり、グーグルの持ち株会社であるアルファベット[GOOGL]も2%以上下げています。半導体関連株も安く、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ[AMD]が5%を超える下落となり、エヌビディア[NVDA]とクアルコム[QCOM]も3%前後の下げとなりました。台湾の半導体受託生産最大手のTSMC(TSMC)も決算で7-9月期の売上高の見通しが市場予想を下回ったことなどから米預託証券(ADR)が5%安となっています。さらに半導体製造装置関連株ではアプライドマテリアルズ[AMAT]が5%を上回る下落となり、KLA[KLAC]とラムリサーチ[LRCX]も4%前後の下げとなっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.10%高い3.85%となりました。こうしたなかドル円は円安となり140円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国でのハイテク株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の売り一巡後に下げ渋るような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)