東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は5日続落となりました。20円安の26,547円で寄り付いた日経平均は下げ幅を広げ9時50分過ぎに298円安の26,269円まで下落した後切り返すとプラスに転じ10時50分前に48円高の26,616円まで上昇しました。しかし、上値は重く伸び悩むと再びマイナスとなり59円安の26,508円で前場を終えました。110円安の26,457円でスタートした後場の日経平均は再び下げ幅を広げ14時10分過ぎに210円安の26,357円まで下落すると結局180円安の26,387円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

日銀が金融政策決定会合でイールドカーブ・コントロールの運用を一部見直し、長期金利の変動許容幅を拡大させることを決めたことによる利ざやの改善を期待した買いが続き本日も3メガバンクが大幅高となり、昨日に続いて年初来高値を更新しました。三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が一時9.1%高、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が一時7.1%高、みずほフィナンシャルグループ(8411)も一時5.3%高となっています。

ツルハホールディングス(3391)も3.6%高となりました。新型コロナウイルスの感染者数の増加を背景に医療用抗原検査キットや風邪薬や解熱鎮痛剤などの販売が増えたことに加えて、プライベートブランド(PB))商品の拡大で採算が改善したことなどから上期の営業利益が前年同期比で8.8%増となったことで大幅高となりました。同じく上期決算を発表した日本オラクル(4716)も3.0%高となりました。主力のクラウド事業に加え、ソフトウエアのライセンス収入やハードウエア販売が増えたことなどから第2四半期3ヶ月間の営業利益が前年同期比で8.3%増となり、第1四半期の4.7%減から増益に転じたことで買いが優勢となりました。

また、目標株価の引き上げを受けて買われたのが情報システム構築のインフォコム(4348)や美容用品商社のビューティガレージ(3180)で、インフォコムが3.3%高、ビューティガレージも4.2%高となりました。一方でさらに円高が進んだことで自動車株が昨日に続いて安く、トヨタ(7203)が一時2.9%安、日産(7201)が一時4.5%安、ホンダ(7267)が一時3.0%安となり揃って年初来安値を更新したほか、マツダ(7261)が一時4.5%安、SUBARU(7270)も一時4.9%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は180円安となりました。大規模な金融緩和策を修正し、事実上の緩和縮小を決めた日銀の金融政策決定会合の結果を受けた株安の流れが本日も続きました。朝方の売り一巡後に切り返すと昨日までの4日間で既に1,600円近くも下げていたこともあって自律反発狙いの買いが入り小幅にプラスとなる場面もありました。

しかし、昨日の終値を小幅に上回ったところで上値が押さえられると後場に入って再び下げ幅を広げました。金融緩和策の修正は突然だったため状況把握には時間がかかりそうで、しばらくは不安定な相場が続きそうです。

なお、引け後には11月の訪日外国人客数が発表されるほか、日本時間の22日午前0時には12月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数と11月の米中古住宅販売件数が発表される予定です。また、21日の米国では半導体大手のマイクロン・テクノロジー(MU)の決算発表も予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)