【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 30,333.59  ▼90.22 (10/20)
NASDAQ: 10,614.84  ▼65.66 (10/20)

1.概況

米国市場は長期金利の上昇が重石となり続落となりました。11ドル安でスタートしたダウ平均は直後にプラスになると市場予想を上回る決算を発表したIBM(IBM)が大幅高となるなど決算を材料視した買いが入り上げ幅を大きく広げ昼前に399ドル高まで上昇しましたが、その後伸び悩むと昼過ぎにマイナスに転じ結局90ドル安の30,333ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も65ポイント安の10,614ポイントとなっています。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万2000件減の21万4000件と悪化を見込んでいた市場予想に反して改善しました。9月の米中古住宅販売件数も年率換算で前月比1.5%減の471万戸となりましたが市場予想を上回りました。一方で10月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数はマイナス8.7と前月から上昇しましたが市場予想を下回りました。9月の米景気先行指標総合指数も前月比0.4%低下し市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が下げ、公益事業が2%を超える下落となったほか、資本財・サービスも2%近く下げました。また、一般消費財・サービスと金融、生活必需品も1%を上回る下落となっています。一方でコミュニケーション・サービスとエネルギー、情報技術の3業種が上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったIBMが4%以上上げ上昇率トップとなったほか、セールスフォース(CRM)も2%を超える上昇となりました。一方でホーム・デポ(HD)とキャタピラー(CAT)が2%以上下げ、ナイキ(NKE)とトラベラーズ(TRV)も2%近く下落しています。ダウ平均構成銘柄以外ではAT&T(T)が決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったことで7%を上回る上昇となりました。半導体製造装置のラムリサーチ(LRCX)も決算が市場予想を上回ったことで8%近く上げています。テスラ(TSLA)は決算で売上高が市場予想に届かなかったことで目標株価の引き下げが相次ぎ6%を超える下落となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.10%高い4.23%となりました。ドル円は150円台前半まで円安が進み1990年8月以来32年ぶりの円安水準となっています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場でダウ平均が小幅な下げに止まったことから小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の27,000円や25日移動平均線(昨日時点で26,985円)を引き続き維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)