【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 32,151.71 △377.19 (9/9)
NASDAQ: 12,112.31 △250.18 (9/9)
1.概況
先週末の米国市場は米連邦準備理事会(FRB)による大幅利上げ観測の織り込みがある程度進んだことによる長期金利の上昇一服を受けて3日続伸となりました。101ドル高でスタートしたダウ平均は昼前に390ドル高程度まで上昇した後一旦伸び悩みましたが、午後に入って再び上げ幅を広げると取引終盤に453ドル高まで上昇しました。その後引けにかけてやや上げ幅を縮めたダウ平均ですが結局377ドル高の32,151ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も250ポイント高の12,112ポイントとなっています。
2.経済指標等
7月の米卸売在庫は前月比0.6%増に止まり市場予想を下回りました。米卸売売上高も前月比1.4%減となり市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでもコミュニケーション・サービスとエネルギーが2%を超える上昇となり、情報技術と一般消費財・サービス、素材、資本財・サービスも1%以上上げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中24銘柄が上げました。そのなかでもセールスフォース(CRM)とキャタピラー(CAT)、スリーエム(MMM)、アメリカン・エキスプレス(AXP)が3%を超える上昇となったほか、シェブロン(CVX)とウォルト・ディズニー(DIS)、インテル(INTC)、マイクロソフト(MSFT)、ダウ(DOW)、ビザ(V)、ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)、ハネウェル・インターナショナル(HON)、ナイキ(NKE)も2%以上上げています。一方でユナイテッドヘルス・グループ(UNH)とトラベラーズ(TRV)、マクドナルド(MCD)、ボーイング(BA)、メルク(MRK)、ホーム・デポ(HD)の6銘柄が小幅に下げています。
ダウ平均構成銘柄以外では、主力ハイテク株が高くフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(META)が4%を超える上昇となり、テスラ(TSLA)も3%以上上げています。グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)とアマゾン・ドット・コム(AMZN)、ネットフリックス(NFLX)も2%以上上昇しています。また、半導体株も堅調でアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)とマイクロン・テクノロジー(MU)、ウエスタンデジタル(WDC)が3%を上回る上昇となり、エヌビディア(NVDA)も3%近く上げました。また、電子署名サービスのドキュサイン(DOCU)が決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったことで10%余り上昇しています。クラウド上でサイバーセキュリティーサービスを提供するゼットスケーラー(ZS)も決算が市場予想を上回ったことで22%近く上げました。
5.為替・金利等
先週末の長期金利はFRBによる大幅利上げ観測が一旦織り込まれたことで0.01%低い3.31%となりました。ドル円は142円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の28,500円を試すような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)