東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は小幅に5日ぶりに反発となりました。30円高の27,650円で寄り付いた日経平均は直後に61円安の27,557円まで下落した後切り返すと上げ幅を広げ10時過ぎに194円高の27,813円まで上昇しましたが、伸び悩むと上げ幅を縮め11時過ぎからは大引けまで昨日の終値を挟んで小幅に揉み合う展開となり結局6円高の27,626円で取引を終えました。一方でTOPIXは小幅に下落となりましたが、新興株は堅調で東証マザーズ指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
エービーシー・マート(2670)が3.7%高となりました。3年ぶりに行動制限のないお盆休みだったこともあり地方の観光地や都心部の人出が増加しアパレルやサンダルの販売が好調で8月の既存店売上高が前年同月比で16.0%増となったことを好感した買いが入りました。アパレル大手のワールド(3612)も一時3.2%高となりました。秋物商品の販売が堅調だったことなどから8月の既存店売上高が前年同月比で20.1%増だったとことで買いが優勢となりました。
日本ハウスホールディングス(1873)も9.2%高となりました。注文住宅の受注が伸びたうえ、ホテルの利用も回復したことなどから第3四半期の営業利益が前年同期比で3.4倍となったことで買いを集めました。HOYA(7741)も一時6.2%高となりました。日経平均の構成銘柄の定期見直しでHOYAを新規に採用すると日本経済新聞社が発表したことで大幅高となりました。
一方でオリエンタルランド(4661)が6.3%安となりました。日経平均の構成銘柄の定期見直しで新規に採用されるとの見方が一部で出るなか採用されなかったことで失望売りが出ました。調剤薬局のアインホールディングス(9627)も6.3%安となりました。米アマゾン・ドット・コム(AMZN)が中小薬局と組み日本で処方薬販売への参入を検討していると伝わったことで競争激化を懸念した売りが出ました。調剤薬局の日本調剤(3341)やクオールホールディングス(3034)も安く、日本調剤が5.9%安、クオールホールディングスも3.4%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は昨日の米国市場がレーバーデーの祝日で休場となり材料に乏しいなかで時間外の米株価指数先物をにらみながらの一日となり6円高となりました。朝方には61円安まで下落する場面もありましたが、昨日同様に節目の27,500円を前に下げ渋ると買いが優勢となり米株価指数先物が堅調となったことで一時190円以上上昇しました。しかし、米株価指数先物がその後伸び悩むと上げ幅を縮め小幅高で取引を終えました。
そのため底堅さとともに上値の重さも意識されそうで、こうしたなかで引き続き27,500円や200日移動平均線(27,478円)を維持し水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。なお、日本時間の23時には8月の米ISM非製造業景況感指数が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)