東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は小幅に4日続伸となりました。125円安の28,050円で寄り付いた日経平均は直後に128円安の28,047円を付けた後切り返すとプラスに転じ9時20分前に82円高の28,258円まで上昇しましたが、伸び悩むと再びマイナスとなり10時過ぎに59円安の28,116円まで下落しました。しかし、下げ渋ると持ち直し65円高の28,241円で前場を終えました。89円高の28,265円でスタートした後場の日経平均は直後に103円高の28,279円を付けた後13時40分過ぎに42円高の28,218円を付けるなど28,200円台で推移すると結局73円高の28,249円で取引を終えています。一方で新興株は安く東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

レーザーテック(6920)が9.5%高となりました。本決算を発表し、最先端の半導体の製造や研究開発に使う検査装置の販売が引き続き好調に推移するうえ、装置保守などサービスの売り上げも伸びる見通しで2023年6月期の営業利益が前期比で29.3%増となり前期に続いて最高益を更新する見通しとなったことで買いを集め東証プライム市場で売買代金トップとなりました。スズキ(7269)も10.4%高となりました。主力のインド市場で四輪車の販売が好調だったことなどで第1四半期の営業利益が前年同期比で36.8%増となったことで大幅高となりました。同じく第1四半期決算を発表した三井松島ホールディングス(1518)も21.4%上昇しストップ高となり年初来高値を更新しました。石炭価格の上昇を受けて通期の営業利益の見通しを143億円から232億円へ引き上げたことで買いが膨らみました。

上期決算を発表したヤマハ発動機(7272)も4.3%高となりました。ベトナムやインドネシアでバイク販売が好調に推移するうえ、円安が利益を押し上げることもあり通期の営業利益の見通しを1900億円から2000億円に上方修正したことを好感した買いが入りました。キヤノン(7751)も自己株式を除く発行済み株式の1.7%にあたる1800万株と500億円を上限とした自社株買いを発表したことで4.6%高となっています。

一方で島津製作所(7701)が9.3%安となりました。中国のロックダウンの影響でサプライチェーンが乱れたうえ、半導体や電子部品などの部材が高騰したことで第1四半期の営業利益が前年同期比で23.9%減となったことで売りがかさみました。シャープ(6753)も中国・上海のロックダウンで生産が滞ったうえ、原料高を受けた商品価格への転嫁が遅れたことなどで第1四半期の営業利益が前年同期比で66.7%減となったことで3.8%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は73円高となりました。先週末の米国市場が小幅に高安まちまちとなり新たな買い材料に乏しいことから売りが先行しましたが、節目の28,000円を前に下げ渋ると買いが優勢となりました。先月下旬からスタートした決算発表もいよいよ終盤ですが、こうしたなかで節目の28,000円台を引き続き維持しここからさらに水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。なお、本日も引け後には住友金属鉱山(5713)や東京エレクトロン(8035)、ソフトバンクグループ(9984)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)