【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 32,845.13 △315.50 (7/29)
NASDAQ: 12,390.69 △228.10 (7/29)
1.概況
米国市場はアップル(AAPL)やアマゾン・ドット・コム(AMZN)といった主力ハイテク株の好決算を好感した買いが入り大幅に3日続伸となりました。14ドル安でスタートしたダウ平均は直後に36ドル安まで下落しましたが、下げ渋るとプラスに転じ大きく上げ幅を広げる展開となりました。取引終盤に380ドル高まで上昇したダウ平均は引けにかけてやや上げ幅を縮めたものの結局315ドル高の32,845ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も228ポイント高の12,390ポイントとなっています。
2.経済指標等
6月の米個人消費支出(PCE)は前月比1.1%増となり市場予想を上回りました。米個人所得も前月比0.6%増となり市場予想を上回っています。また、4-6月期の米雇用コスト指数も前期比1.3%上昇し市場予想を上回りました。7月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値も51.5と速報値から上方修正され市場予想を上回っています。一方で7月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)は52.1と前月から低下し市場予想も下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち生活必需品とヘルスケアを除く9業種が上げました。そのなかでもエネルギーと一般消費財・サービスが4%を超える上昇となったほか、資本財・サービスも2%高となっています。また、情報技術と金融、素材も1%以上上げています。
4.個別銘柄動向
決算で売上高の5割強を占めるiPhoneの販売が市場予想を上回ったことなどでアップルが3%を超える上昇となったほか、決算で売上高が市場予想を上回ったアマゾン・ドット・コムも10%高となりました。また、原油高を受けて決算が大幅な増益となったシェブロン(CVX)も9%近く上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなり、同じく決算が大幅な増益となったエクソンモービル(XOM)も4%を超える上昇となりました。さらに石油株が大幅高となるなか資源高が業績の追い風になりやすいとの見方からキャタピラー(CAT)も5%以上上げ、ダウ平均構成銘柄でシェブロンに次ぐ上昇率となっています。
一方で決算が市場予想を大幅に下回り、最終赤字に転落したインテル(INTC)が8%以上下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。プロクター・アンド・ギャンブル(PG)も決算でドル高や原材料高が収益を圧迫するとの見方を示したことで6%余り下げダウ平均構成銘柄でインテルに次ぐ下落率となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.02%低い2.65%となりました。ドル円は133円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の28,000円を試すような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)