東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株安を受けて8日ぶりに反落となりました。216円安の27,697円で寄り付いた日経平均は取引開始から20分弱で66円安の27,848円まで持ち直しましたが、戻し切れないと11時前に251円安の27,663円まで下落し203円安の27,710円で前場を終えました。223円安の27,690円でスタートした後場の日経平均は27,700円前後で推移すると結局215円安の27,699円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

明治ホールディングス(2269)が一時3.8%高となりました。世界保健機関(WHO)が緊急事態宣言を出したウイルス感染症「サル痘」の予防に天然痘ワクチンを使うことの可否を厚生労働省が審議すると伝わるなか明治ホールディングス傘下のKMバイオロジクスがワクチンを生産していることから物色の矛先が向かいました。中古車オークション大手のオークネット(3964)も一時8.5%高となり年初来高値を更新しました。電圧などのデータと走行距離などをもとに最大数十分程度で性能を割り出し、国内で初めて中古電気自動車の電池査定を始めると伝わったことで中古電気自動車の市場の活性化を期待した買いが入りました。また、タカラバイオ(4974)が投資判断と目標株価の引き上げを受けて一時4.9%高となったほか、東証スタンダード市場では出前館(2484)が投資判断と目標株価の引き上げを受けて7.7%高となっています。

一方で第1四半期決算を発表した東京製鉄(5423)が6.8%安となりました。電炉の主原料である鉄スクラップ価格が下落し鋼材のマージンが拡大することなどから通期の営業利益の見通しを300億円から390億円に上方修正しましたが材料出尽くしで売りが優勢となりました。さらに高画質モニター製造のEIZO(6737)が投資判断と目標株価の引き下げを受けて4.7%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は215円安となりました。7月の米総合購買担当者景気指数(PMI)速報値が好不況の分かれ目となる50をおよそ2年ぶりに割り込んだことで先週末の米国市場が反落となったことで売りが優勢となりました。しかし、先週末までの7日間で1,600円近く上げ、25日移動平均線との乖離率も5%近くまで開き、東証プライム市場の騰落レシオも130%となるなど短期的な過熱感が高まっていたことからすると必要な調整だといえます。今週から3月決算企業の第1四半期決算発表が一段と本格化しますが、その決算発表を支えに引き続き200日移動平均線(27,579円)を維持しさらに水準を引き上げることができるかがポイントとなりそうです。なお、本日も引け後にはコーエーテクモホールディングス(3635)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)