東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は反発しました。67円高の26,403円で寄り付いた日経平均は取引開始から1時間余りで206円高の26,543円まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むと上げ幅を縮め86円高の26,423円で前場を終えました。104円高の26,441円でスタートした後場の日経平均は12時40分過ぎに145円高の26,482円まで上昇した後も26,400円台で推移すると結局142円高の26,478円で取引を終えています。こうしたなか新興株も堅調で東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

第1四半期決算を発表した銘柄に大きく上昇するものが幾つかみられました。東宝(9602)はアニメ映画の名探偵コナンなどのヒットが寄与したことなどで第1四半期の営業利益が前年同期を上回る水準となったことや、自己株式を除く発行済み株式総数の0.57%にあたる100万株と60億円を上限とした自社株買いを発表したことで6.1%高となり年初来高値を更新しました。

小型建機を手掛ける竹内製作所(6432)も製品に使う電子部品の供給量が増加に転じたことで欧州向け小型建機の販売台数が想定を上回ることなどから通期の営業利益の見通しを127億円から161億円に上方修正したことで11.1%高となり、婦人服・雑貨販売のパルグループホールディングス(2726)も販促を強化していた電子商取引での売り上げが好調なうえ、新型コロナウイルス禍で落ち込んだ実店舗への客足が想定以上のペースで伸びていることなどから通期の営業利益の見通しを87億円から108億円に引き上げたことで17.0%高となり年初来高値を更新しています。航空機向け内装品を手掛けるジャムコ(7408)も11.7%高となりました。ボーイング(BA)が4-6月期の出荷台数が大幅増となったことで昨日の米国市場で大幅高となり、ボーイングに内装品を納めるジャムコも買いを集めました。

また、目標株価の引き上げを受けて買われたのがホンダ(7267)やレンズ製造大手のタムロン(7740)で、ホンダが一時3.2%高となり、タムロンも3.5%高となりました。一方でアスクル(2678)が投資判断と目標株価の引き下げを受けて一時6.3%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は142円高となりました。昨日の米国市場はインフレを警戒した売りが出て続落となりましたが、昨日に500円近く下落していた反動で買いが優勢となり、一時200円以上上げ節目の26,500円を上回る場面もありました。しかし、マーケットでの関心が高い6月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えていることもあって26,500円を小幅に上回ったところでは伸び悩みました。その米CPIは日本時間の21時30分に発表される予定で、前月から伸びが加速する見通しとなっていることもありマーケットの反応が注目されます。

なお、2月決算企業の第1四半期決算発表が続いていますが、本日の引け後にはエービーシー・マート(2670)や吉野家ホールディングス(9861)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)