【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 33,248.28 △435.05 (6/2)
NASDAQ: 12,316.90 △322.44 (6/2)
1.概況
米国市場はADP全米雇用リポートで雇用者数が市場予想を大きく下回ったことで金融引き締めへの警戒感が後退し景気敏感株や消費関連株、ハイテク株など幅広い銘柄に買いが入り3日ぶりに大幅反発となりました。4ドル安でスタートしたダウ平均は下げ幅を広げると朝方に303ドル安まで下落しましたが、業績見通しを下方修正したマイクロソフト(MSFT)が上昇に転じたこともあって持ち直し昼過ぎにプラスになると上げ幅を大きく広げました。引けにかけて一段高となったダウ平均は結局435ドル高の33,248ドルとなりほぼ高値引けで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も322ポイント高の12,316ポイントとなっています。
2.経済指標等
5月のADP全米雇用リポートで民間部門雇用者数は12万8000人増に止まり市場予想を大きく下回りました。4月の米製造業受注も前月比0.3%増に止まり市場予想を下回っています。一方で先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万1000件減の20万件となり市場予想を上回る改善となりました。1-3月期の米労働生産性指数改定値も年率換算で前期比7.3%低下となりましたが市場予想を上回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーを除く10業種が上げました。そのなかでも一般消費財・サービスが3%高となったほか、素材とコミュニケーション・サービス、情報技術も2%以上上昇しています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中23銘柄が上げました。そのなかでもボーイング(BA)とセールスフォース(CRM)が7%以上上昇したほか、ナイキ(NKE)も4%近く上げています。また、ホーム・デポ(HD)も3%近く上昇し、ハネウェル・インターナショナル(HON)とビザ(V)、アメリカン・エキスプレス(AXP)も2%以上上げています。一方でアムジェン(AMGN)が2%安となり、メルク(MRK)も1%以上下げています。
ダウ平均構成銘柄以外では、主力ハイテク株の上昇が目立ち動画配信のネットフリックス(NFLX)が6%以上上げ、フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(FB)も5%を超える上昇となりました。電気自動車のテスラ(TSLA)も4%以上上げ、グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)とアマゾン・ドット・コム(AMZN)も3%を上回る上昇となっています。半導体株も高くアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が7%以上上げ、エヌビディア(NVDA)も7%近く上昇しました。クアルコム(QCOM)も4%以上上げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.01%高い2.91%となりました。ドル円は129円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の27,500円や4月21日に付けた戻り高値(27,553円)を超えて上げ幅を広げそうですが、今晩に米雇用統計の発表を控え様子見となりやすいなかでどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)