【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ： 31,490.07 ▼1,164.52 （5/18）
NASDAQ： 11,418.15 ▼566.37 （5/18）
1.概況
米国市場はターゲット（TGT）やロウズ（LOW）の冴えない決算を受けてインフレが企業収益を圧迫するとの懸念が強まり大幅反落となり、ダウ平均とS&P500株価指数が年初来安値を更新しました。
185ドル安でスタートしたダウ平均は一日を通して下げ幅を広げると取引終盤に1,260ドル安まで下落し結局1,164ドル安の31,490ドルで取引を終え4日ぶりに反落となりました。ダウ平均は今年最大の下げ幅となり12日に付けた年初来安値（31,730ドル）を更新しています。
また、S＆P500株価指数も165ポイント安の3,923ポイントとなりこちらも12日に付けた年初来安値（3,930ポイント）を下回ったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も566ポイント安の11,418ポイントとなっています。
2.経済指標等
4月の米住宅着工件数は年率換算で前月比0.2％減の172万4000戸となり市場予想を下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでも一般消費財・サービスと生活必需品が6％を超える下落となったほか、情報技術も4％以上下げています。また、資本財・サービスとコミュニケーション・サービス、素材も2％を上回る下落となっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄全てが下げました。そのなかでもウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス（WBA）が8％を超える下落となったほか、コカ・コーラ（KO）とウォルマート（WMT）も7％近く下げました。プロクター・アンド・ギャンブル（PG）も6％を超える下落となり、アップル（AAPL）とナイキ（NKE）、ホーム・デポ（HD）も5％以上下げています。また、ボーイング（BA）も5％近く下落し、インテル（INTC）とマイクロソフト（MSFT）、シスコシステムズ（CSCO）、マクドナルド（MCD）、ユナイテッドヘルス・グループ（UNH）も4％以上下げています。
ダウ平均構成銘柄以外では決算が大幅な減益となり１株利益も市場予想を下回ったディスカウントストア大手のターゲットが急落し25％近く下げました。ホームセンターのロウズ（LOW）も決算で売上高や既存店売上高が市場予想を下回ったことで5％以上下落しています。
さらに主力ハイテク株の下げが目立ちアマゾン・ドット・コム（AMZN）と動画配信のネットフリックス（NFLX）が7％以上下げ、電気自動車のテスラ（TSLA）も7％近く下落しました。フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ（FB）も5％余り下げ、グーグルの持ち株会社であるアルファベット（GOOGL）も4％近く下落しています。
半導体株も安くエヌビディア（NVDA）が7％近く下げ、クアルコム（QCOM）とアドバンスト・マイクロ・デバイス（AMD）も6％を上回る下げとなっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.10％低い2.88％となりました。ドル円は円高に振れ128円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて大きく下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の26,500円を割り込んで下げ幅を広げそうですが、朝方の売り一巡後に下げ渋るような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
（マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之）
