東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株高を受けて続伸となりました。225円高の27,210円で寄り付いた日経平均は取引開始から1時間余りで404円高の27,389円まで上昇しましたが、伸び悩むと10時30分過ぎに81円高の27,066円まで上げ幅を縮め154円高の27,139円で前場を終えました。146円高の27,131円でスタートした後場の日経平均は14時に272円高の27,257円まで上昇した後やや上げ幅を縮めると結局232円高の27,217円で取引を終えています。一方で新興株は安く東証マザーズ指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
一時129円台前半まで円安が進んだことで自動車株が高く、トヨタ(7203)が3.7%高、日産(7201)が4.7%高、ホンダ(7267)が3.6%高、マツダ(7261)が3.7%高、SUBARU(7270)も5.4%高となりました。セブン&アイ・ホールディングス(3382)も北米を中心に海外コンビニ事業の強化を進めていることから円安による業績の上振れが期待され4.6%高となっています。また、住友大阪セメント(5232)が旧村上ファンド系のシティインデックスイレブンスが5.08%の株式を保有していることが明らかとなったことで買いを集め18.4%高となり年初来高値を更新したほか、日本航空(9201)も日本発の旅客を対象にした燃油サーチャージについて6-7月発券分の引き上げを国土交通省に申請したと発表したことで収益の改善を期待した買いが入り一時3.0%高となりました。
さらに新電力大手のイーレックス(9517)も電力の販売量が想定を上回ったことなどで2022年3月期の営業利益の見通しを90億円から120億円に上方修正したことで4.3%高となり、ジャックス(8584)も国内事業のショッピングクレジット及び住宅ローン保証が堅調に推移したことで2022年3月期の営業利益の見通しを255億円から267億円に引き上げたことで8.6%高となり年初来高値を更新しています。
一方で本決算を発表した不動産運用のいちご(2337)が2023年2月期の営業利益の見通しが市場予想に届かなかったことで6.0%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は232円高となりました。決算を期待した買いが幅広い銘柄に入り昨日の米国市場が大幅反発となったことで買いが優勢となりました。一時は400円以上上昇し25日移動平均線(27,299円)を上回りましたが、朝方の買い一巡後に上げ幅を縮めると25日移動平均線を下回って取引を終えました。節目の27,000円の回復に失敗した昨日に続いて伸び悩んだことで上値の重さが意識されそうですが、こうしたなかで明日からスタートする3月決算企業の本決算発表を支えに25日移動平均線を超えて水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。
なお、日本時間の23時に3月の米中古住宅販売件数が発表されるほか、21日の午前3時には米地区連銀経済報告(ベージュブック)が公表される予定です。また、20日の米国ではテスラ(TSLA)やプロクター・アンド・ギャンブル(PG)などが決算を発表する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)