【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 34,308.08 ▼413.04 (4/11)
NASDAQ: 13,411.96 ▼299.04 (4/11)
1.概況
米国市場は長期金利の上昇を受けてハイテク株に売りが出て大幅下落となりました。90ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に19ドル安まで持ち直す場面もありましたが、戻し切れないと下げ幅を広げる展開となり取引終盤には290ドル安余りまで下落しました。その後一旦下げ渋りましたが引けにかけて一段安になると引け間際に448ドル安まで下落し結局413ドル安の34,308ドルで取引を終え3日ぶりに反落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も299ポイント安の13,411ポイントと続落となりました。
2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでもエネルギーが3%を超える下落となったほか、情報技術も2%以上下げました。ヘルスケアと一般消費財・サービスも2%近く下落しています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中26銘柄が下げました。そのなかでもマイクロソフト(MSFT)が4%近く下げ下落率トップとなったほか、アメリカン・エキスプレス(AXP)も投資判断の引き下げを受けて3%以上下落しました。また、シスコシステムズ(CSCO)とシェブロン(CVX)、アップル(AAPL)、ナイキ(NKE)、ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)も2%を超える下げとなっています。
ダウ平均構成銘柄以外では主力ハイテク株の下げが目立ち電気自動車のテスラ(TSLA)が5%近く下落し、グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)も3%を超える下げとなりました。アマゾン・ドット・コム(AMZN)とフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(FB)、動画配信のネットフリックス(NFLX)も2%を上回る下落となっています。半導体関連株も安く半導体製造装置のアプライドマテリアルズ(AMAT)が3%余り下げ、KLA(KLAC)も3%近く下落しました。半導体株では投資判断の引き下げを受けてエヌビディア(NVDA)が5%を超える下げとなり、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も3%以上下落しています。一方でネット通販支援のショッピファイ(SHOP)が1株を10株にする株式分割案を発表したことで2%を超える上昇となっています。
5.為替・金利等
長期金利は米連邦準備理事会(FRB)による積極的な金融引き締めを警戒した債券売りが引き続き優勢で0.08%高い2.78%となりました。ドル円は125円台前半で推移しています。一時は125円70銭台を付け2015年6月以来6年10カ月ぶりの円安水準となる場面もありました。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか米消費者物価指数(CPI)の発表を今晩に控え様子見となりやすいなかで日経平均が朝方の売り一巡後に下げ渋るような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)