東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は5日ぶりに反落となりました。98円高の29,906円でスタートした日経平均は寄り付きをほぼ高値に上げ幅を縮めると9時20分頃にマイナスに転じ10時40分過ぎに184円安の29,623円まで下落しましたが、やや持ち直すと133円安の29,674円で前場を終えました。
159円安の29,648円でスタートした後場の日経平均は徐々に下げ幅を縮めると14時40分前に70円安の29,738円まで持ち直しましたが、その後引けにかけて下げ幅を広げると結局119円安の29,688円で取引を終えています。こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が下落となる一方で、日経ジャスダック平均は上昇となっています。
2.個別銘柄等
昨日の米国市場でクアルコム(QCOM)やアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など半導体株の一角が大幅高となり主な半導体銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が1.7%高となったことで日本市場でも半導体関連株に買いが向かいました。なかでも東京エレクトロン(8035)が3.3%高となり初めて6万円台に乗せ上場来高値を更新したほか、レーザーテック(6920)も5.3%高となりこちらも上場来高値を付けています。
また、投資判断や目標株価の引き上げに好反応を示したのが日東電工(6988)やSMC(6273)で、日東電工が投資判断と目標株価の引き上げを受けて3.6%高となり、SMCも目標株価の引き上げを受けて3.8%高となりました。マザーズ市場ではメルカリ(4385)も3.3%高となり上場来高値を更新しました。メルカリで販売した商品を発送できる無人の投函ポストを設置することなどでみずほフィナンシャルグループ(8411)傘下のみずほ銀行と協業すると発表したことが材料視されました。
一方でツルハホールディングス(3391)とエレコム(6750)が投資判断と目標株価の引き下げを受けて安く、ツルハホールディングスが4.4%安、エレコムも3.8%安となっています。さらに三井ハイテック(6966)も投資判断の引き下げを受けて3.9%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は119円安となりました。米小売売上高が市場予想を上回ったことで昨日の米国市場が反発したことから買いが先行しましたが、朝方の買い一巡後に上げ幅を縮めるとマイナスに転じました。一時は30,000円の大台に90円余りに迫りながら失速したことで昨日に続いて30,000円手前での上値の重さが意識されそうです。
なお、日本時間の22時30分には10月の米住宅着工件数が発表されるほか、17日の米国ではエヌビディア(NVDA)やシスコシステムズ(CSCO)などが決算を発表する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)