52週MA(移動平均線)との関係で考える

豪ドル/円は、一時60円割れまで急落したが、ここに来て70円近くまで反発してきた(図表1参照)。これは、基本的には「下がり過ぎ」の反動だろう。

【図表1】豪ドル/円の日足チャートの推移(2019年12月~)
出所:マネックストレーダーFX

豪ドル/円の52週MAからのかい離率は、一時マイナス10%以上に拡大した(図表2参照)。2008年のリーマン・ショックでの豪ドル大暴落を除くと、同かい離率のマイナス方向への拡大は、マイナス10%前後で一巡してきた。以上のように見ると、「下がり過ぎ」が一巡し、その修正から反発となっている可能性が高そうだ。

【図表2】豪ドル/円の52週MAからのかい離率(2000年~)
出所:リフィニティブ・データよりマネックス証券が作成

では、豪ドル/円はすでに60円割れで底を打ったということなのかといえば、それはまだ微妙だろう。今回と同様に、52週MAからのかい離率がマイナス10%前後で拡大一巡したケースを見ると(2008年のケースも含む)、2010、2011年のケースは底打ちで52週MAを大きく上回る動きに向かったものの、2008、2015、2016年のケースは、反発も52週MA回復には至らず、再び安値更新に向かった(図表3参照)。

【図表3】豪ドル/円と52週MA(2000年~)
出所:リフィニティブ・データよりマネックス証券が作成

 足元の52週MAは73円程度。以上を参考にすると、「下がり過ぎ」反動の豪ドル/円反発も、最大でも73円に届くかどうかというところで、改めて3月に記録した59円台の安値で底を打ったのか試しにいく可能性は残っているのではないか。