英ポンド／円 （135.30～146.50）12月12日～12月18日まで
アナリシス：
皆さん、こんにちは！ いよいよ、明日英国下院総選挙が実施されます。日本時間では12月13日午前7時ごろから開票作業が始まります。今回の選挙は英国史上注目度の高い選挙になることは必至と言えそうです。また、新聞各紙の報道では、保守党が過半数を獲得との見方もある一方、ギリギリまで分からないとの見方もあります。
選挙戦最終日の12月11日、各党の党首は各地の激戦区を回り、全国の有権者へ最後の遊説を行い自身の党への投票を訴えました。
ジョンソン首相は朝一番にイングランド北部ヨークシャーを訪れ「ブレグジットを実現できるのは保守党だけ」と強調しました。最大野党・労働党のコービン党首はスコットランドのグラスゴーを最初に訪れ、緊縮財政を終わらせると明言し「労働党への一票は希望への一票」と訴えました。
今回の選挙でもキーになる党は自由民主党です。党首スウィンソン氏は演説の中で、同党が議席数を増やせばブレグジットを阻止できる可能性があると強く演説しました。下院第3党のスコットランド民族党（SNP）のスタージョン党首は、スコットランド住民が同党に投票すれば与党・保守党の独り勝ちを阻止できると訴えました。
それぞれの思惑が交錯する中で、英国民の民意はどう反映されるのか、またその結果からポンドの動きがどうなるのかを見ていきます。
第1シナリオ：保守党が過半数を獲得した場合
ジョンソン首相の続投が決まり、1月31日までにEU離脱が決まることになります。ある種流れが決定することになるので、ポンドは素直に現在のアップトレンドを継続して、明日にも週足の＋2σタッチまで上がると想定します。
1つだけ懸念があるのは、相場の格言でもある「噂で買って、事実で売れ」の動きとなった場合。確率は低いと考えますが、保守党の過半数獲得が決定となった時点で、一時的にポンドの利益確定売りが入ることも気にかけていなければなりません。
第2シナリオ：労働党が議席数を伸ばした場合
過半数獲得には至らないまでも自由民主党や他の野党と合わせて過半数超えとなった場合、連立与党が決まれば、再度国民投票が行われ、にわかにEU残留のシナリオが浮上します。これを受けて、離脱せずに、EU域内に留まるということになれば、市場は好感触ということでポンド買いに動くと想定します。
第3シナリオ：絶対多数政党不在の場合
今回の一番の争点は、ハング・パーラメント。つまり絶対多数政党不在の状況に陥った時は、ブレグジットの行方が不透明となり、一気にポンド売りになると想定します。
英世論調査会社ユーガブ（YouGov）の最新調査によると、保守党の予想議席数は339議席。別の調査会社の結果は最大で367議席とされていますが、過半数の326議席に満たないとの見方もあります。
また、労働党は231議席に留まる見込みで、スコットランド民族党（SNP）が41、自由民主党が15議席とされています。
仮に、労働党が議席数を増やし、他の野党と連立を組んでも326議席に満たない場合にハング・パーラメントが起こりますので、この際のポンド急落には注意が必要です。
向こう1週間の重要指標です。
12日（木）
21:45 EUR・ECB政策金利
22:30 EUR・ECB総裁定例記者会見
13日（金）
7:00 英・総選挙出口調査結果
8:50 日・日銀短観/四半期大企業製造業業況判断
午前中 英・総選挙開票結果
22:30 米・小売売上高
18日（水）
19:00 EUR・消費者物価指数
それでは、月足チャートです。
月足トレンドレス中段。
続いて、週足チャートです。
トレンドレス上段＋2σまでゆとりあり。今週の上昇余地は146.40円近辺。下げるならMA付近まで。
次に日足チャートです。
アップトレンド2波目形成中。
最後に4時間足です。
中段保合い上限。上にブレイクしたら短期足で押し目買い。
上記の分析から、エントリーポイントとしては以下のとおりです。
予想レンジ：135.30～146.50
メインストラテジー：
買いをするなら
・143.60円近辺を上にブレイクしたら短期足使って押し目でエントリー
・142.30円~142.50円の日足MAもしくはミドル反発＋4時間足中段保合い下限でエントリー
売りをするなら
・144.50円近辺から日足トレ転狙いでエントリー
この時は日足以下の全時間足で＋2σを越えていることが条件
・146.50円週足＋2σからの逆張りエントリー
