重要イベント満載だった先週を無難に通過し、今週はじり高で日経平均2万1000円の大台クリアを試す週となろう。外部の投資環境は好転しつつある。出遅れの日本株も上伸するだろう。

先週のFOMCでは市場の期待通り、利上げの一時停止を表明するともにバランスシート縮小ペースの見直しも示唆する「満額回答」だった。米国の経済指標も申し分ない結果だった。雇用者数は大幅に伸びた一方、賃金の伸びは加速せず、これはFEDの利上げ停止を正当化するわけだからマーケットにとっては好都合。1月のサプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数は市場予想に反して上昇した。中国のPMIもそうだった。短期の景気サイクルがボトムアウトしつつあることが伺える。まだ市場はそれに気づいていないが。

ドル円は再び109円台半ばに戻して先週を終えた。これでFRBの利上げ停止でも円高にならない、という見方が少しは増えるといいのだが。詳しくはこちらのレポートご参照。ポイントは、FRBの利上げ停止は完全に織り込み済みだから、これ以上円高になるには新たな材料が必要ということだ。

今週は決算発表後半戦。ソフトバンク、トヨタ、商社、不動産各社が決算を発表する。決算発表の前半戦を終えて言えるのは、良い決算の銘柄は素直に買われ、ずっと調整してきた銘柄は下方修正でも悪材料出尽くしで株価が上昇するケースが見られること。相場が行き過ぎた悲観の修正を始めた証と評価したい。

今週は中国が春節で休みとなる。上海株式市場の変動に振らされることもなく、リスク要因が低下する。国内では週末にオプションのSQを控え、水曜~木曜あたりに動意が出るか。6日(水)はトヨタ、ソフトバンクGの決算発表。それを受けた翌日あたりに注意したい。

日経平均は一目均衡表の雲が薄くなっているところに差し掛かっている。この間隙を縫って雲の上に浮上するチャンスである。ナローパスを通せるか、正念場だ。

予想レンジは2万500円 ‐ 2万1200円。