写真芸術家の松江泰治くんは、中1から同級生で中高大と同窓、高校時代は私が写真部部長で彼が写真部会計という、本当に長い付き合いの友達です。2月24日(日)まで、広島市現代美術館で、過去作品実に約200点を展示する大回顧展が開かれているので、仕事に絡めて、見に行きました。
圧巻。感動。友人のしたことに、これ程までに感動し、感嘆したことはあったろうか?その友人の友人であることを、これ程までに誇りに思ったことはあるだろうか?
写真部の活動では色々な想い出がありますが、一番は、高2の冬に、女子学院と麻布の写真部に声を掛け、更に当時森山大道さんが主宰していた新宿のCAMPというスペースを飛び込みで掛け合って一週間程使わせてもらって、三校合同展なるものを開いたことです(企画や交渉は全て私がやりました)。大学を出てからも、彼とはずっと関わってきたので、色々な想い出があります。
しかしそんな想い出は全てぶっ飛ぶような、そんな衝撃的感動を覚えました。素晴らしい、とにかく素晴らしい。その作品に対する情熱と、完成度の高さと、技術力と、全てが圧巻です。そして何にも増して、綿々と作家活動に真正面に向き合って、写真芸術作品を作り続けてきたその強い営みに、完全に圧倒され、感動しました。凄いな。
もう19年前のことでしょうか、或る本の私に対する取材に、松江くんがくっ付いてきました。編集長と仲良しだったのです。その結果、記事の終わりに、小さな囲み記事で、彼と私の小さな対談がオマケ企画で実現しました。その中で私曰く「お前はなんでこんな生き方なの?」(注:彼は、芸術活動を追究するために、大学卒業後、敢えて一度たりとも勤め人やバイトさえしたことがなかったのでした)、彼「お前と一緒だよ」、私「は?どういうこと?」、彼「自分が可愛いだけだよ」。
洒落たこと云うなー。あの時はそう思ったけど、今は、偉業を成し遂げたとまで表現したくなる彼の前で、自分は彼のその言葉に本当に相応しいのかを、自らに問い直さねばならないと思います。松江くん、おめでとう、ありがとう、そして頑張ります!