表の見方について広木が動画(約12分)で解説しています。
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PORTFOLIO OVERVIEW(29 Aug 2017)
今週のFX-1ポートフォリオは緩やかなドルのネット・ロングからかなりはっきりとしたドルのネット・ロング・ポジションに移行する(+8.4%⇒+27.3%)。
ドルが広範にわたって下落したにもかかわらず、先週のポートフォリオのパフォーマンスはポジティブだった。ポートフォリオのロング通貨(ユーロと北欧)が値上がりし、ショート通貨(例えば豪ドル)の上昇によるマイナスを打ち消して余りあるリターンをもたらしたからである。
今週も各通貨の売り買いの変更はない。ロングはユーロとそのサテライト(ノルウェーとスウェーデン)そして円である。しかし、ユーロ、ノルウェー、スウェーデンについてはロングのサイズを削った。ユーロ圏の比較的堅調だった経済パフォーマンスに若干の後退が見られたことがその背景である。それはスウェーデンにも波及した。この欧州通貨のポジション変更で、今週のドルのネット・ロングが増加したかなりの部分を説明できる。
ショートについては特に述べることはない。冴えない経済指標で英ポンドのショートを増やしたことくらいである。
FX-1のユーロの推奨は、ジャクソンホールのシンポジウムを受けた市場の反応に対する逆張りである。市場はイエレン議長とドラギ総裁が「話さなかったこと」を聞いたのである。イエレン議長はFEDの引き締め策について何も言及しなかった(だからドルは下げた)。そしてドラギ総裁はユーロ高をけん制する発言をしなかった(だからユーロは上昇した)。中期的には、ドルは相対的な金融政策の点でエッジを失うという見方にわれわれは同意するものの、当面の間はドルについて楽観的である。なぜなら経済成長とインフレの両面で、米国は相対的にアップサイドの余地があるからだ。よってユーロのポジションを縮小したのである。
DeepMacro
DeepMacro社は、ビッグデータ技術を利用して、自動的かつリアルタイムにグローバルなマクロ経済を観察・分析し、これを基にマーケットの分析を行う米国のリサーチ会社です。詳しくは、こちらをご覧ください。
DeepMacro FX-1 Strategy 通貨モデルの説明
概要
DeepMacro FX-1 Strategy 通貨モデルは、DeepMacro 社のグローバル・マクロ・システムに基づき、G10通貨についてシステマティックなポートフォリオ戦略を提供するものです。通貨の変動を説明する様々な要因を捉え、DeepMacro 社のリサーチ・システムの膨大なデータを、流動性が高く割安なポートフォリオに変換します。
キーファクター:
成長要因:
強い景気サイクルにある通貨を買い、弱い景気サイクルにある通貨を売ります。この判断は別のモデル体系であるDeepMacro 社の「Growth Factor」に基づきます。「Growth Factor」は主要国のビッグデータを含む経済成長に関するリアルタイム・インディケーターです。
キャリー:
高いキャリーの通貨を買い、低いキャリーの通貨を売ります。しかし、高キャリーは高リスクでもあります。したがって、リスクに見合うだけのキャリーが得られる場合のみ、このファクターによる投資判断を行います。
バリュエーション:
割安な通貨を買い、割高な通貨を売ります。経済理論では、高い生産性の伸び、高い輸出価格、大きな経常黒字の通貨は高くなることが示されています。このモデルのバリュエーション・ファクターはこれらの要因にもとづき割高・割安の判断をおこないます。
グローバル・リスク:
投資家のリスク回避姿勢が強まった時には、いわゆる「セイフ・ヘイブン(安全な寄港地)」通貨を買います。DeepMacro社では金融市場の価格に基づいて市場のリスク選好度を見積もっており、「グローバル・リスク・インディケーター(GRI)」を算出しています。GRIが点灯した場合、モデルは日本円、スイスフラン、米ドルなどへの買いを指示します。
ポジション調整:
モデルは対米ドルで9通貨のポジションを表示します。モデルは各通貨への集中度制限などリスク管理のルールを適用し、最適化を行った結果としてポートフォリオを構築します。
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チーフ・ストラテジスト広木 隆の<今週の相場展望>とコラム「新潮流」とチーフ・アナリスト大槻 奈那が金融市場でのさまざまな出来事を女性目線で発信する「アナリスト夜話」などを毎週原則月曜日に配信します。メールマガジンのご登録はこちらから