NYダウ: 25414.10 △172.16 (7/25)
NASDAQ: 7932.24 △91.47 (7/25)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は米欧貿易摩擦への懸念が後退し上昇しました。一時は130ドル安近くまで売られるなど軟調な展開が続いたダウ平均ですが、取引終了の30分ほど前に米欧首脳会談で欧州連合(EU)のユンケル欧州委員長とトランプ米大統領が幾つかの関税引き下げで合意したと伝わると買いが優勢となりプラスに転じ引けにかけて一気に上げ幅を広げる展開となりました。引け間際に190ドル高まで買われる場面もあったダウ平均は結局172ドル高の25,414ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も91ポイント高の7,932ポイントと反発し17日に付けた史上最高値を更新しています。
2.経済指標等
6月の米新築住宅販売件数は年率換算で前月比5.3%減の63万1000戸となり市場予想も下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち電気通信サービスを除く10業種が上げました。そのなかでも情報技術と資本財・サービス、ヘルスケアが1%を超える上昇となったほか、不動産とエネルギーも1%近く上げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中25銘柄が上げました。そのなかでもマイクロソフト(MSFT)が3%近く上げたほか、ナイキ(NKE)も2%を超える上昇となりました。また、決算で売上高が市場予想ほど減らなかったコカ・コーラ(KO)に加え、ビザ(V)やスリーエム(MMM)、キャタピラー(CAT)、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(WBA)、シスコシステムズ(CSCO)も2%近く上げています。一方でベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)が1%以上下げたうえ、決算で軍用機部門の営業利益率見通しを引き下げたボーイング(BA)も軟調でした。ダウ平均構成銘柄以外では、決算が市場予想を上回る増収増益となった物流大手のUPS(UPS)が7%近く上げています。ゼネラル・モーターズ(GM)は決算で通期の利益見通しを下方修正したことで4%を上回る下落となっています。フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCAU)も通期の見通しを下方修正したことで急落し12%近く下げています。さらに取引終了後に決算を発表したフェイスブック(FB)は売上高が市場予想を下回ったことから時間外で急落しています。
5.為替・金利等
長期金利は0.02%高い2.97%となりました。ドル円は110円台後半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場が上昇する一方で円高となるなど強弱材料が入り混じる格好となっていることから本日の日本市場は小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均はドル円の動向をにらみながらの展開となりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)