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【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は米FOMCの結果やトランプ米政権が中国からの輸入品への追加関税を早ければ15日に発動する可能性があるとの報道を受けて米中貿易摩擦への懸念が出て下落しました。米FOMCの結果発表を午後に控え前日終値を挟んで小幅に揉み合う展開が続いていたダウ平均ですが、FOMCの結果発表を受けて売りが優勢になると80ドル安近くまで下落しました。その後一旦持ち直したダウ平均ですが前日終値近辺では上値が重く引けにかけて再び下げ幅を広げ結局119ドル安の25,201ドルと安値圏で取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も8ポイント安の7,695ポイントと4日ぶりの反落となっています。

2.経済指標等
米連邦公開市場委員会(FOMC)は政策金利を市場の予想通り0.25%引き上げました。そして参加者の2018年末の政策金利(中央値)の見通しは前回の2.125%から2.375%に上方修正され、2018年に想定する利上げ回数は従来の3回から4回となりました。また、米卸売物価指数(PPI)は前月比0.5%上昇し市場予想も上回りました。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち一般消費財・サービスを除く10業種が下げました。そのなかでも電気通信サービスが4%を超える下落となったほか、不動産も2%以上下げています。

4.個別銘柄動向
米中貿易摩擦への懸念からボーイング(BA)とキャタピラー(CAT)が2%近く下げ、2銘柄でダウ平均を65ドル以上押し下げました。米連邦地裁がAT&T(T)によるメディア大手のタイムワーナー(TWX)の買収を承認したことを受けてベライゾン・コミュニケーション(VZ)も3%近く下げ、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなっています。AT&Tも買収による財務負担を警戒した売りで6%以上下げています。また、税務申告代行サービスのH&Rブロック(HRB)が2019年4月期の利益率が前期から悪化するとの見通しを示したことで急落し18%近く下げたほか、菓子大手のハーシー(HSY)も投資判断の引き下げを受けて2%以上下げています。一方で21世紀フォックス(FOXA)がCATV大手のコムキャスト(CMCSA)からコンテンツ事業買収の正式な提案があると伝わったことで8%近く上げています。さらに動画配信のネットフリックス(NFLX)も目標株価の引き上げで4%以上上昇しています。

5.為替・金利等
長期金利は変わらずの2.96%となりました。米FOMCの結果を受けて一時は3%を超える場面もありました。ドル円は一時110円80銭台まで円安が進む場面もありましたが、朝方は110円台前半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。今晩にECB理事会の結果発表を控え様子見となりやすいなかで日経平均が下げ渋るかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)