NYダウ: 24831.17 △91.64 (5/11)
NASDAQ: 7402.88 ▼2.09 (5/11)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。ヘルスケア関連株の上昇に支えられてダウ平均とS&P500株価指数は続伸したものの、主力ハイテク株の一角に利益確定の売りが出たことでナスダック総合株価指数は反落となりました。取引開始後しばらくして130ドル高近くまで買われたダウ平均は、その後上げ幅を縮まると午後にはマイナスに転じ20ドル安余りまで下落する場面もありましたが、下げ渋ったことで持ち直し結局91ドル高の24,831ドルと7日続伸となっています。また、S&P500株価指数も4ポイント高の2,727ポイントと3日続伸となりました。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は2ポイント安の7,402ポイントと6日ぶりの反落となっています。
2.経済指標等
4月の米輸入物価指数は前月比0.3%上昇に止まり市場予想を下回りました。輸出物価指数は0.6%上昇し、こちらは市場予想を上回っています。また、5月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値も前月から横ばいの98.8となり市場予想を上回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち不動産や情報技術、生活必需品などの6業種が下げました。一方で5業種が上げ、電気通信サービスが2%余り上昇したほか、ヘルスケアも1%以上上げています。
4.個別銘柄動向
投資判断の引き上げを受けてベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)が3%高となりダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。また、トランプ大統領が薬価引き下げに向けて製薬業界の規制緩和を進める考えを表明したことで薬品株が買われ、メルク(MRK)が3%近く上げたうえ、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)とファイザー(PEF)も1%を超える上昇となっています。医療保険のユナイテッドヘルス・グループ(UNH)も買われ2%近く上げています。一方でハイテク株に利益確定の売りが出てインテル(INTC)やアップル(AAPL)が小幅に下げたほか、画像処理半導体大手のエヌビディア(NVDA)も2%以上の下げとなりました。さらに業績の見通しが市場予想を下回ったセキュリティーソフト大手のシマンテック(SYMC)が急落し33%安となっています。決算で赤字幅が大幅に拡大したメディアのニューズ・コーポレーション(NWSA)も8%以上下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.01%高い2.97%となりました。ドル円は109円台前半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
先週末の米国市場が高安まちまちとなったことから本日の日本市場は小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が大幅高となった先週末の地合いを引き継いで戻りを試す展開を引き続きみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)