NYダウ: 23860.46  ▼1,032.89 (2/8)
NASDAQ: 6777.16  ▼274.83 (2/8)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は長期金利の上昇を受けて急落となりました。8ドル高と小幅に反発して始まったダウ平均ですが直ぐにマイナスに転じるとその後は大きく下げ幅を広げる展開となりました。昼過ぎに680ドル安程度まで下落したダウ平均は一旦持ち直し300ドル以上下げ幅を縮める場面もみられましたが取引終盤に再び下げ幅を大きく広げると1,032ドル安の23,860ドルと節目の24,000ドルを下回り安値圏で取引を終えています。この結果下げ幅は史上最大となった5日の1,175ドル安に次ぐ大きさとなり、史上最高値を付けた先月26日からの下落率は10%となりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も274ポイント安の6,777ポイントと大きく下げています。

2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比9000件減の22万1000件となり悪化を見込んでいた市場予想に反して改善しました。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでも金融と情報技術、一般消費財・サービスが4%を超える下落となったほか、資本財・サービスと電気通信サービスも4%近く下げています。

4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄全てが下げました。そのなかでもアメリカン・エキスプレス(AXP)とインテル(INTC)、キャタピラー(CAT)、ホームデポ(HD)、ゼネラル・エレクトリック(GE)、マイクロソフト(MSFY)、トラベラーズ(TRV)が5%を超える下落となったほか、ビザ(V)とボーイング(BA)、ナイキ(NKE)も5%近く下げました。ダウ平均構成銘柄以外では、グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)やアマゾン・ドット・コム(AMZN)、フェイスブック(FB)などの主力ハイテク株も4%を超える下落となっています。また、決算で既存店売上高が減ったドラッグストアのCVSヘルス(CVS)も5%余り下げています。一方で10-12月期の最終損益が上場後初めて黒字に転換したツイッター(TWTR)が12%以上上げ急伸しました。決算で1株利益が市場予想を上回ったメディア大手のバイアコム(VIAB)も7%を上回る上昇となっています。さらに通常取引で5%近く下げた画像処理半導体大手のエヌビディア(NVDA)ですが、取引終了後に発表した決算が市場予想を大きく上回ったことで時間外で大幅高となっています。

5.為替・金利等
長期金利は米国株の急落を受けて0.02%低い2.82%となりましたが、一時は前日に米上院与野党指導部が今後2年間の歳出上限の引き上げで合意したことで国債発行額が一段と増加するとの見方から2.88%まで上昇する場面もみられました。ドル円は円高となり108円台後半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株の急落を受けて本日の日本市場も大きく下げてのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は下値を探ることになりそうで、下げ幅を大きく広げ6日の取引時間中の安値(21,078円)や節目の21,000円、さらに200日移動平均線(昨日時点で20,988円)などを試すような展開となるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)