NYダウ: 24272.35 △331.67 (11/30)
NASDAQ: 6873.97 △49.58 (11/30)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は税制改革法案が米上院本会議の採決で成立する可能性が高まり上昇し、ダウ平均とS&P500株価指数が史上最高値を更新しました。節目の24,000ドルを上回り73ドル高でスタートしたダウ平均は昼過ぎに387ドル高の24,327ドルまで買われるとその後130ドル近く上げ幅を縮める場面もありましたが、引けにかけて持ち直すと結局331ドル高の24,272ドルと5日続伸となり3日連続で史上最高値を更新して取引を終えています。ダウ平均の上げ幅は今年最大となっています。また、S&P500株価指数も21ポイント高の2,647ポイントと反発し、28日に付けた史上最高値を更新しています。さらにハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も49ポイント高の6,873ポイントと反発しています。
2.経済指標等
10月の米個人所得は前月比0.4%増となり市場予想を上回りました。また、10月の米個人消費支出(PCE)は前月比0.3%増となり市場予想と一致しています。変動の激しい食品とエネルギーを除いたPCEコアデフレータも前年同月比1.4%上昇し、こちらも市場予想と一致しました。11月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)は63.9と前月から低下したものの市場予想を上回っています。先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比2000件減の23万8000件と市場予想を下回り改善しています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでもエネルギーと、資本財・サービスが1%を超える上昇となったほか、情報技術も1%近く上げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中24銘柄が上げました。そのなかでもボーイング(BA)とユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)が3%近く上げたほか、ゴールドマン・サックス(GS)とビザ(V)、キャタピラー(CAT)、スリーエム(MMM)、インテル(INTC)も2%を上回る上昇となっています。一方でゼネラル・エレクトリック(GE)が1%安となっています。ダウ平均構成銘柄以外では、決算が市場予想も上回った大手スーパーのクローガー(KR)が6%余り上昇し大幅高となっています。11月の既存店売上高が大きく伸びたコストコ・ホールセール(COST)も4%近い上昇となっています。また、目標株価の引き上げを受けてアマゾン・ドット・コム(AMZN)やフェイスブック(FB)も堅調でした。書店チェーンのバーンズ・アンド・ノーブル(BKS)は決算で赤字幅が拡大したことで11%を超える下落となり急落しています。
5.為替・金利等
長期金利は0.02%高い2.41%となりました。ドル円は112円台半ばで推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株高を受けて本日の日本市場は上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が先月7日に付けた年初来高値(22,937円)を試すような展開となるかが注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)