1.概況
本日の日経平均は11連騰となり連日で年初来高値を更新しました。昨日の米国市場で主要3指数が揃って史上最高値を更新したことを受けて96円高の21,352円で寄り付いた日経平均は取引開始10分後に138円高まで買われましたが、高値警戒感から売りに押され上げ幅を縮めると10時半ごろにマイナスに転じ24円安まで下落しました。しかし、下げ渋るなか後場に入って再び買いが優勢になると日経平均は再び上げ幅を広げ13時半すぎに87円高まで買われました。その後も堅調に推移した日経平均は結局80円高の21,336円で取引を終えています。こうしたなか新興市場はまちまちで東証マザーズ指数が3日続落となった一方で、日経ジャスダック平均は小幅に反発しています。

2.個別銘柄動向等
住友金属鉱山(5713)が昨日に続いて年初来高値を更新しました。銅先物価格が上昇し業績予想の前提を上回って推移していることから業績拡大期待が高まり4.1%高となりました。三菱マテリアル(5711)やDOWAホールディングス(5714)もしっかりで年初来高値を付けています。投資判断と目標株価の引き上げを受けて大きく上げたのが豊田自動織機(6201)で4.5%高となったほか、半導体フォトレジスト最大手の東京応化工業(4186)も目標株価の引き上げを好感して5.6%高となり、ともに年初来高値を更新しています。神戸製鋼所(5406)は性能データの改ざんがこれまでの会社側の説明と異なり数十年前から続いていたと伝わったものの、昨日の投資家向け説明会で資金繰りなどについて現状ではひとまず懸念がないとの見解を示したことから買われ一時6.5%高と大きく上げる場面がありました。一方で東宝(9602)が一時3.6%安と大きく下げる場面がみられました。昨日の取引終了後に発表した上期(3-8月期)決算は営業利益が前年同期比32%増と大幅な増益となりましたが、営業減益の会社予想が据え置かれたことが失望となりました。引けは2.2%安となっています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は本日で11連騰となりました。しかし、高値警戒感から本日の日経平均は一時下落に転じる場面もみられました。このように短期的な過熱感が強く意識されるなかで明日に日経平均が指数算出以来5度目の12連騰を達成できるかが注目されます。過去の12連騰をみると、一度目が1952年6月24日から7月7日で、この間の上昇率は10.8%、二度目が1953年1月5日から1月19日で上昇率は17.2%、三度目が1986年3月1日から3月15日で上昇率は7.5%、そして四度目が2015年5月15日から6月1日で上昇率は5.1%となっています。本日までの11連騰での上昇率は4.8%で、これまでの12連騰過去4回のいずれの上昇率にも届いていないことからまだ上値余地はありそうです。なお、仮に日経平均が明日12連騰となれば、次は1988年2月に記録した13連騰、さらに1960年12月から1961年1月にかけての14連騰を目指すことになります。

マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之