1.概況
本日の日経平均は61円高の1万9961円と小幅に続伸し、連日で年初来高値を更新しました。TOPIXやJPX日経400も上昇しましたが、新興市場のマザーズ指数は小幅に下落しています。昨日の米国市場でダウ平均は小幅に下げた一方、ナスダック総合指数やS&P500は上昇して史上最高値を更新とまちまちで支援材料になりにくかったものの、ドル円が114円台まで円安に振れたことを受け日経平均は43円高の1万9943円と小幅に続伸して寄り付きました。前場の日経平均は小幅なプラス圏でのもみ合いとなりました。一時は6円高とマイナスに転じそうな水準まで上げ幅を縮める時間帯もありましたが、その後盛り返し結局前場を29円高で終えました。日経平均は後場入り後に一段高となり、13時半過ぎには89円高の1万9989円と2万円回復まで10円余りに迫りました。ただ、それ以上上値を伸ばすことはできず、その後はやや上げ幅を縮めて大引けをむかえました。東証1部の売買代金は2兆7932億円と連日で2兆円台後半の活況となっています。東証33業種は非鉄金属や銀行業、情報・通信業など15業種が上昇しました。一方で1%を超える下げとなったパルプ・紙や金属製品など18業種が下げています。なお、日経平均は2万円回復はなりませんでしたが、日経平均先物は一時2万円ちょうどをつける場面がありました。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は概ね上昇しました。売買代金トップに入ったソフトバンクグループ(9984)は2%高と堅調でした。昨日発表した2017年3月期の純利益が1兆4263億円と前期比3倍に増えるなど、好調な業績が好感されました。売買代金2位に入ったトヨタ自動車(7203)は昨日発表した今期の業績予想が市場コンセンサスを大きく下回る低調な内容だったことを受け、朝方は2%安近くまで売られる場面がありましたが、売り一巡後に上げに転じ結局0.7%高と上昇しています。その他任天堂(7974)、三菱UFJ(8306)、JT(2914)、SUBARU(7270)なども上昇しましたが、売買代金3位に入った東芝(6502)は5%近く下落しています。材料が出たところでは、玩具大手のタカラトミー(7867)が9%超の大幅高となりました。2017年3月期の営業利益が77億円と前期の3倍近くに増えたほか、今期予想も増収増益と発表したことが好感されました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
2万円回復直前まで上昇した日経平均ですが、結局2万円回復はなりませんでした。ただ、冴えない決算を発表したトヨタ自動車が朝方2%近く下落したものの結局上昇して取引を終えるなど、マーケットのセンチメントはかなり強気に振れているようです。今夜の米国市場やドル円動向次第では明日の寄り付きから2万円回復という可能性もありそうですが、達成感からくる一時的な調整には注意を払いたいところです。

(マネックス証券 プロダクト部 益嶋 裕)