NYダウ: 19971.13  ▼122.65 (1/30)
NASDAQ: 5613.71  ▼47.07 (1/30)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場はトランプ米大統領が中東やアフリカなどの7カ国からの入国を制限する大統領令に署名したことに対して国内外で混乱や反発が広がったことを嫌気して下落しました。午前中に220ドル安余りまで下げ幅を広げたダウ平均は引けにかけてやや持ち直したものの、結局122ドル安の19,971ドルと続落となり20,000ドルの大台を割り込んで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も47ポイント安の5,613ポイントと反落となっています。

2.経済指標等
2016年12月の米個人消費支出(PCE)は前月比0.5%増となり市場予想と一致しました。変動の激しい食品とエネルギーを除いたPCEコアデフレータも前年同月比1.7%上昇し こちらも市場予想と一致しています。2016年12月の米個人所得は前月比0.3%増となったものの市場予想を下回りました。一方で2016年12月の米仮契約住宅販売指数は前月比1.6%上昇の109.0となり市場予想を上回っています。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が下げ、エネルギーと素材が1%を超える下落となりました。一方で生活必需品と公益事業の2業種が上げています。

4.個別銘柄動向
不動産ローン債権の回収事業から撤退すると発表したシティグループ(C)が下げたほか、年末商戦期の販売が不振で2016年10-12月期の業績見通しを引き下げたウェアラブル端末のフィットビット(FIT)が急落しました。同業のウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)による買収価格の引き下げが嫌気されたドラッグストアのライト・エイド(RAD)や、米寝具小売大手と結んでいる販売契約を破棄すると発表したマットレス製造のテンピュール・シーリー・インターナショナル(TPX)も急落しています。また、米国への入国制限を受けてユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングス(UAL)やデルタ航空(DAL)も大きく下げています。一方で投資判断の引き上げを受けてウォルト・ディズニー(DIS)が買われました。

5.為替・金利等
長期金利は0.01%高い2.49%となりました。ドル円は入国制限を巡る混乱を受けて円が買われ円高が進みました。朝方は113円台後半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株安に加え、ドル円も円高に振れていることから本日の日本市場は続落でのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は25日移動平均線を割り込んで下げ幅を広げそうですが、売り一巡後に下げ渋る展開となるかがポイントとなりそうです。また、本日は昼ごろに日銀の金融政策決定会合の結果が発表される予定です。金融政策に変更はないとみられていますが、結果を受けてのマーケットに動きがみられるかもポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)