1.概況
本日の日本市場は米国市場でダウ平均が初めて20,000ドルの大台を突破したことを好感して続伸となりました。203円高の19,260円と大幅に上昇して寄り付いた日経平均はその後も大きく押すことなく1日を通してじりじりと上げ幅を広げる展開となりました。前場は300円高を前に19,300円台半ばで一旦上値を押さえられた日経平均ですが、後場にさらに上値を伸ばすと取引終盤で19,400円を僅かに上回って350円高近くまで買われました。結局、日経平均は344円高の19,402円とほぼ高値引けで取引を終えています。また、新興市場では日経ジャスダック平均が7日続伸となったほか、東証マザーズ指数が5日続伸となり一時は節目の1,000ポイントを回復する場面もありました。

2.個別銘柄等
米長期金利の上昇を受けて米国市場で金融株が買われた流れから日本市場でも金融株に買いが入りました。メガバンクでは三菱UFJフィナンシャルグループ(8306)が4.3%高、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が3.1%高、みずほフィナンシャルグループ(8411)が3.0%高となったほか、生保の第一生命ホールディングス(8750)やT&Dホールディングス(8795)も5%前後の上昇となり、ともに昨年来高値を更新しました。また、昨年来高値を付けるものが東証1部で180銘柄を超えるなか、本日の引け後に決算発表を控える銘柄にも決算への期待もあってか高値を更新するものがみられました。富士電機(6504)やアドバンテスト(6857)に加えて、外資系証券が投資判断と目標株価をともに引き上げたファナック(6954)も昨年来高値を付けています。そのほか同じく外資系証券による投資判断と目標株価の引き上げがあった東京エレクトロン(8035)も5.7%高で昨年来高値を付けています。カルビー(2229)は消費者の健康志向などによりシリアル食品のフルグラが好調で2016年4-12月期の営業利益がこの期間としては過去最高となった模様との観測記事を受けて4.0%高と大きく上げました。一方で昨日の取引終了後に2016年12月期決算を発表したLINE(3938)が10.3%安と急落し、昨年7月の上場以来の安値を付けました。営業利益は前期比10倍の199億円と大きく伸びたものの、242億円程度を期待していたコンセンサス予想を大きく下回ったことで失望売りが嵩みました。自治体向け消防無線の入札で談合があったとして公正取引委員会から課徴金の支払いを命じられる可能性を受けて第3四半期で79億円の引当金を特別損失に計上したことで業績予想を下方修正した富士通ゼネラル(6755)も11.6%安と急落しています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
12日に昨年11月以降の上昇相場で初めて25日移動平均線を割り込み、その後調整色を強め19,000円を下回る場面もみられた日経平均ですが、本日はその25日移動平均線を回復しています。そのため調整一巡との見方も一段と増えそうですが、こうしたなかでダウ平均が初めて20,000ドルの大台を超えてきたことから日経平均でも20,000円回復への期待が高まりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)