2026年第4四半期も折り返し地点に近づきつつあります。米国における10月以降の株価指数騰落率を確認すると、米国大型バリュー株指数(ラッセル1000バリュー指数)がプラス4.1%と米国グロース株指数(ラッセル1000グロース指数、マイナス11.9%)やS&P500種株価指数(マイナス3.9%)といった他の主要指数をアウトパフォームしています。足元、人工知能(AI)・半導体関連を筆頭にハイテク株が軟調な一方、消費やヘルスケアなどバリュー株指数への組み入れが相対的に多い業種が堅調な値動きとなっています。ただ、バリュー株といっても、収益性や利益の質は銘柄ごとに異なると考えられます。そこで今回は、長期にわたり高い資本効率を保ち、利益がキャッシュで裏付けられていながら、同業他社と比べて市場における評価が低い銘柄を以下の条件に基づきピックアップしました。
<抽出基準>
・S&P500種株価指数に含まれる銘柄
(除く銀行、保険、不動産、投資銀行・証券会社、消費者金融、資産運用・資産管理)
・直近10年における投下資本利益率の中央値が15%以上
・直近3年における営業キャッシュフロー÷純利益の平均値が1.1以上
・企業価値÷利払い前・税引き前・減価償却前利益が各銘柄の属する産業グループ内で下位20%以内
(相対的に評価が低い)
リストをみると、病院や外来手術センターなどを展開するHCAヘルスケア[HCA]が基準を満たしています。総合病院・救急病院では、内科、一般外科、心臓外科、がん診療科などを手掛けているほか、診断や緊急医療などにも対応しています。同社が10月27日に発表した2026年第3四半期決算では売上高や1株あたり利益(EPS)が第2四半期を下回りました。無保険患者の増加が逆風となっています。ただ、11月3日に実施された米中間選挙で上院・下院ともに民主党の勝利が確実となったことで、トランプ政権が進めてきた医療支出の削減に歯止めがかかるとの期待が広がり、同社の株価は選挙直前と比較して上昇しています。他方、パソコンやモバイル機器、家電など幅広い消費者向け製品・サービスを手掛けるベスト・バイ[BBY]もリスト入りしました。同社は米国・カナダで約1,000店を展開しています。全米小売業協会(NRF)によれば2026年年末商戦では、売上高が史上初めて1兆ドルを突破する見通しです。また、伸び率は前年比4.2%増と過去20年の平均(3.6%)を上回る強い数字とされています。さらに、消費者は前年よりも「目的を持った」行動をとっており、購入前に商品の実物を見て評価するために店舗へ足を運んでいるとの分析も明らかにされており、実店舗での消費拡大に伴うベスト・バイの業績に対する追い風が期待されます。また、農場や牧場などの運営、家の整備、動物の飼育などに必要な製品を販売するトラクター・サプライ・カンパニー[TSCO]もリスト入りしました。10月22日に発表された2026年第3四半期決算では売上高、1株あたり利益(EPS)ともに市場予想を上回りました。野生動物用品、馬・家畜用品、トラック関連、工具・金物などが好調で業績に寄与しました。
資本効率や利益の質、株式市場における評価に目を向けることで、指数全体の動きとは異なる視点から銘柄を見つけられるかもしれません。ただ、直近ではVIX指数(恐怖指数)が28.18(5日時点)と節目の20を上回るなど投資家心理が悪化しており、目先の株式市場は変動性の高い展開が続く可能性もあるため注意したいところです。
