株式投資では、企業の成長性に加え、株価が市場全体の動きにどの程度左右されるかも銘柄選びの視点になります。そこで今回は、足元で軟調に推移する日経平均株価との連動性が低く、値動きが比較的小さい銘柄のうち、アナリスト予想で売上高と1株当たり利益(EPS)の成長が見込まれる企業を以下の条件で抽出しました。

<スクリーニング条件>
・TOPIX500構成銘柄
・日経平均株価に対する直近1年の調整後βが0.5未満
・今期のアナリスト予想ベースの売上高・EPSが、ともに前期比10%超増加する見込み(前期実績のEPSがプラスの銘柄のみ対象)
・基準日時点で、上場廃止を目的とする公開買付けが実施中の銘柄を除く
・上記の条件を満たす銘柄から、直近90日のボラティリティが小さい順に20銘柄を選定

市場全体に対する株価の感応度を表す指標が「β(ベータ)」です。一般に、βが1を下回る銘柄は、市場の変動に対する感応度が相対的に低いと解釈されます。ただし、βが低くても、企業固有の材料によって株価が大きく動くことはあります。そのため今回は、株価自体の変動の大きさを表すボラティリティも併せて確認しています。

抽出銘柄の中から、今回はアイカ工業(4206)とセンコーグループホールディングス(9069)を取り上げます。

アイカ工業は、接着剤などの化成品と、メラミン化粧板などの建装建材を手掛ける企業です。高付加価値商品の拡販や海外事業の成長に向けた施策を推進し、2027年3月期第1四半期は、売上高が前年同期比19.4%増の713億円、営業利益が同44.9%増の91億円となりました。営業利益率は前年同期の10.6%から12.8%へ改善しています。

センコーグループホールディングスは、物流を中心に商事・貿易、生活関連サービスなどを展開しています。注目したいのは、コスト上昇に対応した料金・価格改定と、M&Aによる事業拡大が収益の伸びにつながっている点です。

2027年3月期第1四半期は、営業収益が前年同期比14.4%増の2487億円、営業利益が同22.9%増の106億円となりました。主力の物流事業では、拡販や価格改定に加え、前期にグループ入りした丸運などの収益が寄与し、営業収益は14.9%増、セグメント利益は21.3%増となっています。

同社の抽出時点における調整後βは約0.43、直近90日のボラティリティは約18.7%で、今回の候補の中でも値動きが比較的小さい銘柄です。

低いβや直近のボラティリティだけで将来の株価の安定性が保証されるわけではありませんが、足元のような半導体銘柄の巻き戻しが見られる相場環境において、指数との連動性や株価の変動率に注目してみてはいかがでしょうか。

【日本】日経平均との連動性が低く、増収増益が期待される国内株はこちらからチェック