9月以降のユーロ急落に一服の兆し
9月以降ユーロは米ドルなどに対して大きく下落してきたが、1.10米ドルの大台割れが射程に入る中で「下げ渋り」が目立ってきた。これは、9月以降の独米金利差(米ドル優位・ユーロ劣位)急拡大がここに来て一服した影響が大きいだろう(図表1参照)。
独米金利差拡大一服のおもな理由は2つ。1つは米金利の上昇が一服したこと。そしてもう1つは、10月以降の独金利低下が一服したこと(図表2参照)。後者は、10月に入って急浮上した仏財政規律への懸念を受けた欧州域内の「質への逃避」、仏国債などからユーロ圏内最大の経済大国の独の国債へ資金をシフトする動きが一服した影響と考えられる。
一時的ユーロ反発は大きく望めずか?
では、ユーロ急落の一服を受けてユーロがどこまで反発できるかと言えば、それはあまり大きく期待できないのではないか。ユーロ/米ドルは5月頃から52週MA(移動平均線)を割り込み、それがすでに約5ヶ月と長く続いている(図表3参照)。経験的にこのようなプライスパターンは、ユーロ安が一時的なものではなく継続的な動き「トレンド」として展開している可能性を示すものだ。
そうしたユーロ安トレンドと逆行する一時的なユーロ反発は、経験的には52週MAを大きく超えられない程度にとどまる可能性が高い。足下のユーロ/米ドルの52週MAは1.15米ドル程度なので、これまで見てきたことから判断すると、ユーロの反発は最大でも1.15米ドルを大きく超えない程度にとどまるという見通しになりそうだ。
対円でもユーロ安へトレンド転換の可能性高まる
では、ユーロ/円についても52週MAとの関係を確認してみる。ユーロ/円は、ユーロ/米ドルほど長くはないものの、それでも先週(10月5日週)までに6週連続で52週MAを下回っており、ユーロ安トレンドが展開している可能性が高まっている(図表4参照)。
そうであれば、ユーロの反発は一時的にとどまり、足下で182円程度の52週MAを大きく超えない程度にとどまる可能性が高いとの見通しになる。歴史的上昇相場が展開してきたユーロ/円だったが、4月に記録した187円でそれが終わっていた可能性も出てきたようだ。
