マイクロンの超絶好決算を受け、AI半導体相場は持続可能に見えますが、上昇する銘柄が変わってきました。長く米国市場をけん引してきたAmazon、Microsoft、Google、Meta、Appleなどハイパースケーラーと称される企業の株価が冴えません。

今、マーケットを牽引しているのはマイクロンなどのサプライヤー。AIシェア獲得競争が激化する中でハイパースケーラーは巨額設備投資を回収できるのか?という疑念が残る中、実際に拠出されたcapex(設備投資、資本的支出)を受け取る企業にとっては受注増という形で大きな恩恵がある、ということですが、要するに上昇する銘柄はシフトしているが、AI半導体相場は持続している、というわけです。

ただ、あまりにAI普及にはコストがかかる。これがインフレをもたらすことへの警戒も存在します。例えば任天堂の株価下落はAIがもたらす短期的なインフレ圧力(コスト高騰)と市場の構造変化を象徴しているかと思われますが、6月25日(木)、Appleが大きく下落しているのもそのせいですね。

MacやiPad、Vision Proなどの主要ハードウェアを最大20%近く引き上げる世界一斉値上げに踏み切りました。Appleのティム・クックCEOが「40年以上のキャリアで見たことがない、100年に1度の洪水のようなメモリ不足」と発言しましたが、今、世界のクラウド事業者やAI開発企業が、DRAMや記憶ストレージ(SSD)を買い占めており、価格が高騰。いよいよ消費者への価格転嫁が始まります。iPadが古くなってきたので買い替えようと思っていましたが、どうしよう…壊れるまで我慢するか。

それでもApple製品は売れる、というなら株価は下がりません。しかし、この値上げに消費がついてこないだろうというのが市場の見方。AIは生産性を向上させ長期的にはインフレを抑制するとされていますが、普及の段階ではインフレが景気を冷やすシナリオも想定しておかなくてはなりませんね。