8月12日は、私にとって少し不思議な日です。父と弟の誕生日なのです。33歳違いの二人が、偶然同じ日に生まれました。わが家にとって8月12日は、昔から「おめでとう」を言う日でした。

一方で、41年前の1985年8月12日は、日航ジャンボ機墜落事故が起きた日でもあります。520人もの方が亡くなり、そのご家族や友人にとって、この日は決して忘れることのできない一日になりました。

同じ8月12日。ある家では「生まれてきてくれてありがとう」と言い、ある家では「もう一度会いたい」と手を合わせる。カレンダーの上では同じ一日なのに、その日付に刻まれているものは、人によってまったく違います。

そして、この事故について40年超経った今も、「あの日、いったい何が起きたのか」、その答えを求め続けている人たちがいると聞きます。公式の調査報告がある一方で、その説明だけでは納得できず、今も問い続けている遺族や関係者がいるそうです。

分からないことを、分からないまま考え続けるというのは、どれほどしんどいことだろう、と思います。答えがあれば、悲しみに区切りがつくわけではないでしょう。それでも、「知りたい」と思うのは、とても自然なことなのだと思います。

けれど人生には、どれだけ考えても答えの出ないことがあります。そんなとき、無理に答えを作るのでもなく、分かったことにしてしまうのでもなく、分からないことを、分からないまま問い続ける。それもまた、忘れないということなのかもしれません。

今年もお盆を迎えます。

お盆は、旅立った人たちを迎え、その人とのつながりにあらためて思いを寄せる時間でもあります。そんなお盆だからこそ、今そばにいてくれる人のことも、いつもより少し大切に思える気がします。生まれてきた人を祝うこと。旅立った人を想うこと。正反対のようでいて、その根っこにある言葉は、案外同じなのかもしれません。

「あなたがいてくれて、ありがとう」

8月12日。今日はそんなことを考えながら、静かに過ごしたいと思います。