東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は5日続伸となりました。203円高の28,648円で寄り付いた日経平均はまもなくして290円高の28,734円まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むと9時30分過ぎに114円高の28,558円まで上げ幅を縮め160円高の28,604円で前場を終えました。152円高の28,597円でスタートした後場の日経平均は14時過ぎに131円高の28,575円を付けた後やや上げ幅を広げ大引け間際に199円高の28,643円を付けると結局178円高の28,623円で取引を終えています。こうしたなかTOPIXも5日続伸となり昨日に続いて昨年来高値を更新したほか、新興株も堅調で東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

セブン&アイ・ホールディングス(3382)が4.1%高となり上場来高値を更新しました。傘下のイトーヨーカ堂の不採算店舗閉鎖を含むグループ全体の合理化策の案をまとめたと伝わったことで構造改革の進展を期待した買いが入りました。美容用品を手掛けるビューティガレージ(3180)も13.4%高となり昨年来高値を更新しました。販管費の圧縮などコスト削減などにより第3四半期3ヶ月間の営業利益が前年同期比で63.3%増となり3四半期ぶりに増益に転じたことで買いを集めました。リサイクルショップを運営するトレジャー・ファクトリー(3093)も7.6%高となりました。2月後半の気温上昇で春物衣料の販売が順調に伸びたことに加え、外国人観光客向けの販売回復によりブランド品の販売も好調に推移したことなどから2月の既存店売上高が前年同月比13.6%増と高い伸びとなったことで大幅高となりました。

また、目標株価の引き上げを受けてSOMPOホールディングス(8630)やMS&ADインシュアランスグループホールディングス(8725)、東京海上ホールディングス(8766)などの大手損保が高く、SOMPOホールディングスとMS&ADインシュアランスグループホールディングスが一時3.4%高、東京海上ホールディングスも一時3.5%高となり、MS&ADインシュアランスグループホールディングスと東京海上ホールディングスは昨年来高値を更新しました。さらに東証グロース市場では医薬品開発のそーせい(4565)も5.4%高となりました。東京証券取引所が上場市場を15日付でプライム市場に変更すると発表したことを材料視した買いが入りました。一方で本決算を発表した商業施設賃貸や娯楽施設運営を手掛ける東京楽天地(8842)が4.4%安となりました。前期にビル売却益を計上した反動が出るほか、採用増やビル改修などでコストが膨らむことなどから2024年1月期の純利益が前期比で55%減となる見通しを示したことで売りが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は178円高となりました。昨日の米国市場が小幅に高安まちまちとなり材料になりにくいなか昨日までの堅調な地合いを引き継ぎ買いが優勢となりました。しかし、一時は300円近く上げる場面もありましたが、日銀の金融政策決定会合の結果や米雇用統計の発表を明日に控えていることから上値を追う動きは限定的で朝方の買い一巡後に伸び悩みました。その日銀の金融政策決定会合の結果は明日の昼頃に発表になる予定です。一部には長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)の変動幅拡大や撤廃といった修正が行われるとの見方もあることから結果発表を受けてのマーケットの反応が注目されます。また、明日は3ヶ月に一度のメジャーSQで寄り付きの動向も注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)