【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 33,696.85 ▼431.20 (2/16)
NASDAQ: 11,855.83 ▼214.76 (2/16)
1.概況
米国市場は1月の米卸売物価指数(PPI)が市場予想を上回ったことで早期の米利上げ休止観測が後退したことに加え、クリーブランド地区連銀のメスター総裁が2月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.5%の利上げを正当化する十分な根拠があったと述べたことや、セントルイス地区連銀のブラード総裁も次回会合で0.5%の利上げを排除するつもりはないと述べるなど、米連邦準備理事会(FRB)高官による一段の利上げに対して積極的な発言もあり大幅反落となりました。135ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に410ドル安余りまで下落した後持ち直すと取引終盤に90ドル安程度まで戻しましたが、引けにかけて急速に下げ幅を広げると結局431ドル安の33,696ドルで取引を終え反落となりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も214ポイント安の11,855ポイントと4日ぶりに反落となっています。
2.経済指標等
1月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.7%上昇と前月の0.2%下落から上昇に転じ市場予想を上回りました。前年同月比も6.0%上昇となり前月から伸びが鈍化したものの市場予想を上回っています。また、2月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数はマイナス24.3と前月から低下し市場予想も下回りました。一方で先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1000件減の19万4000件となり悪化を見込んでいた市場予想に反して改善しました。1月の米住宅着工件数は年率換算で前月比4.5%減の130万9000戸となり市場予想を上回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでも一般消費財・サービスが2%を超える下落となったほか、情報技術とコミュニケーション・サービス、素材、資本財・サービス、金融、エネルギー、ヘルスケアも1%以上下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中28銘柄が下げました。そのなかでもウォルト・ディズニー(DIS)が3%余り下落したほか、マイクロソフト(MSFT)とアムジェン(AMGN)、ナイキ(NKE)、ボーイング(BA)、インテル(INTC)も2%以上下げました。一方でシスコシステムズ(CSCO)とホーム・デポ(HD)の2銘柄が上げ、シスコシステムズは決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったことで5%を超える上昇となっています。ダウ平均構成銘柄以外では主力ハイテク株の下げが目立ちリコールを発表したテスラ(TSLA)が5%を上回る下落となり、アマゾン・ドット・コム(AMZN)とネットフリックス(NFLX)も3%近く下げています。フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(META)も2%を超える下落となっています。半導体株も安くアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)が6%近く下げ、エヌビディア(NVDA)も3%以上下落しました。マイクロン・テクノロジー(MU)も3%近く下げています。
5.為替・金利等
長期金利は米PPIが市場予想を上回ったことで0.06%高い3.86%となりました。ドル円は134円近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の27,500円を維持できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)