0.4%大幅利上げの可能性も
7日のRBA(豪州中央銀行)の金融政策会合では、前回に続き、2回連続での利上げが予想されている。ただ利上げ幅については、前回同様の0.25%か、一気に0.4%の大幅利上げとの見方に分かれている。では、RBA会合の結果が、豪ドル/円にどう影響するかについて考えてみたい。
豪ドル/円は、4月に96円近くまで上昇したものの、その後は一時87円台まで反落した。この豪ドル反落は、日豪金利差からかい離した動きだった(図表1参照)。金利差豪ドル優位拡大を尻目に起こった豪ドル反落だったのだが、その原因は何だったか。
この金利差からかい離した豪ドル反落をうまく説明できそうだったのは、短期的な豪ドル「上がり過ぎ」の反動ということだった。豪ドル/円が96円近くまで上昇したところで、90日MA(移動平均線)かい離率はプラス10%以上に拡大した(図表2参照)。これは、豪ドルの短期的な「上がり過ぎ」懸念が強くなっていたことを示していた。
上述のように、豪ドルは5月にかけて一時87円台まで下落した。こういった中で、豪ドル/円の90日MAかい離率も大きく縮小、「上がり過ぎ」は修正された。豪ドル/円は7日のRBA会合が近づく中で94円台まで再上昇となったが、これは「上がり過ぎ」が修正されたことで、利上げを意識した豪ドル買いが再燃した結果ということだろう。
豪ドル/円の90日MAは、3日現在で88.65円。経験的には、それを10%前後上回ると、短期的な「上がり過ぎ」懸念が強くなる。88.65×1.1=97.5円なので、7日のRBA利上げが0.4%など大幅になった場合、それを口実に短期的な「上がり過ぎ」が一段と拡大するなら、この間の豪ドル高値を更新する可能性もあるだろう。
ただ1つ警戒する必要があるのは、96円以上の水準は、中長期的にも豪ドルの「上がり過ぎ」懸念が強いということ。豪ドル/円の5年MAは足元で80円程度なので、96円以上になるとそれを20%以上上回る計算になる。経験的に、豪ドル/円の5年MAかい離率20%以上は「上がり過ぎ」警戒域だった(図表3参照)。
以上のように見ると、短期的な動きとは別に、中長期的には豪ドル高「行き過ぎ圏」での推移となっている可能性があることから、いわゆる「高値づかみ」のリスクを意識したトレードが必要な段階を迎えているのではないかと考える。