まもなく新年度を迎えます。新しい生活がスタートする人もいるでしょうし、新年度をきっかけに、新しいことを始めようと考えている人もいるでしょう。その「新しいこと」の1つに加えていただきたいのが、「投資」です。
2022年の新年が明けてから、物価上昇、株価の下落傾向や円安など、先行きに不安を感じる話題も多いため、「今から投資?」と思われる方もいるかもしれません。しかし、経済情勢や社会情勢に関係なく、今後は老後資金などを自分で作らなくてはいけないという現状もあります。貯金だけでは追いつかない資金作りは、投資に頼るのもまた一手なのです。
貯金だけでは賄えない時代
お金を貯めるなら「貯金」が当たり前、という考えが昔は主流でした。バブルの頃は、預金金利が6%、7%と高く、わざわざ投資をしなくてもお金を増やせる時期を経験したため、親から子へとそう教えてきたということも影響しているでしょう。とはいえ、超低金利で利息が期待できない今、貯金だけでは希望する金額の資産を作ることが難しくなっています。
貯金を持つことは、生活を守るためには必要なことです。いざというときに現金がなければ、支払いができません。必然と生きる上での選択肢も減ってしまいます。ですが、貯金で持っていても利息を稼げないなら、いざというときに備える金額以上を貯金で持っていても、あまり意味がありません。もし、インフレが進めば、貯金の額は変わらなくても、その価値が下がってしまうのです。
いざというときに備えるお金は、生活防衛資金とも言います。生活費のやりくりをするお金と合わせて、最低でも生活費の7.5ヶ月以上、12ヶ月分程度を準備できていれば十分です。
現金は安全だと思っていても、現金なりのリスクもあるのです。特に経済情勢、社会情勢が動いている今、そのリスクには気を付けておきたいところです。
資産形成に「投資」を取り入れるメリット
では、どうすれば希望する資産額を作ることができるのでしょうか。方策として「投資」を取り入れることで、希望する資産額へ達成する可能性を高めることができます。
投資信託の積立投資は、投資である以上、価格が下がるなどのリスクはあります。しかしながら、長い目で見ると預金金利よりも高い利率で運用できる可能性が高いです。この投資信託は1つの商品の中に、数十から数千の銘柄を含んでいるので、1つの商品内である程度の分散投資ができます。投資商品の中では比較的リスクが低い金融商品です。
複利で運用されるため、長い目で見ると、運用期間が長ければ長いほど投資したお金を膨らませる可能性が高まります。貯金なら、毎月3万円を20年間積み立てると、積み立てた元金の720万円に1,000円にも満たない利息が付く程度ですが、積立投資なら3%ほどの利回りを狙えるわけですから、それで3万円を20年間積み立てると、985万円ほどになるというイメージです。貯金と投資では、かなり資産額に差が出ることがわかります。
そのため、いつまでにいくらを準備したいのかという希望に合わせ、貯金に投資を取り込んでいくと、その希望を実現できる確率が高まります。
貯金志向の方も、これからは投資を視野に入れよう
今まで貯金志向だったという人が、投資もやってみようということであれば、やはり初めからリスクが分散されている投資信託への投資がおすすめです。
投資信託の中でも「インデックスファンド」の積立投資が良いと思われます。これは株価の指標に連動するように作られているので、その値動きはテレビニュースなどで「日経平均」「S&P500」が報道されるように簡単に知ることができ、かつわかりやすいというメリットがあります。
また、投資信託自体が分散投資されているとはいえ、それぞれの商品には特徴があります。例えば投資対象商品が株式中心であるもの、それぞれの投資対象地域が全世界、先進国、新興国、国内を対象にしたものなど様々な種類のものがあります。
初心者は当初は投資額も大きくないでしょうから、まずは株式中心に作られた投資信託を選択し、さらには全世界を投資対象地域とした商品を選ぶのも良いでしょう。残りは自分でカスタマイズしてみましょう。米国、先進国、新興国、国内を自分なりに組み合わせ、ポートフォリオを作ってみても良いでしょう。
投資信託の投資は、保有している間に手数料がかかります。そのため、それらのコストが低く抑えられている商品を選びたいですし、一度投資を始めたら、長期投資をすることで複利効果にも期待していきたいものです。
気を付けるべきことはありますが、積立貯金をするようにコツコツと積み立てる投資は、今まで貯金志向だった方も受け入れやすいかと思います。時には元金より減ったということも起こり得ますが、それは長期間で見ると一時的なことと捉えてよろしいかと思います。
この春から、お金を貯める、資産形成を貯金で目指すと考えている方も、このような投資を視野に入れ、取り組んでいただけたらと思います。