東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は小幅に続落となりました。3円高の28,786円で寄り付いた日経平均は直後に22円高の28,805円までやや上げ幅を広げた後マイナスに転じると取引開始から15分で123円安の28,658円まで下落しましたが、朝方の売り一巡後に持ち直すと71円安の28,711円で前場を終えました。68円安の28,714円でスタートした後場の日経平均は引けにかけてやや下げ幅を広げると結局106円安の28,676円と後場の安値で取引を終えています。こうしたなか新興市場も軟調で東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均が揃って下落となっています。

2.個別銘柄等

ニトリホールディングス(9843)が6.5%安となり年初来安値を更新しました。新型コロナウイルス禍の巣ごもり消費で家具や雑貨の販売を伸ばした前年の反動が出たことや、円安が進んだことで商品の輸入コストが膨らんだ影響もあり第3四半期の営業利益が前年同期比で8.9%減となったことが嫌気されました。2021年11月期の決算を発表した象印マホービン(7965)も9.6%安となり年初来安値を更新しました。主力の炊飯器などに使うアルミニウムや銅、樹脂といった原材料価格の上昇や円安が響き2022年11月の営業利益が2021年11月期の約64億円を大きく下回り44億円に止まる見通しを公表したことで大幅安となりました。再生可能エネルギー開発のレノバ(9519)も15.2%下落しストップ安となりました。秋田県沖と千葉県沖の3つの海域で洋上風力発電を担う事業者に選定されなかったことに加え、投資判断と目標株価の引き下げもあり売りがかさみました。

一方で高島屋(8233)が一時2.2%高となりました。第3四半期9ヶ月間の営業損益は赤字となりましたが、第3四半期3ヶ月間の営業損益が7四半期ぶりに黒字に転換したことが評価されました。タムラ製作所(6768)も15.7%上昇しストップ高となりました。出資先のノベルクリスタルテクノロジーがパワーエレクトロニクスの低価格化や高性能化につながる高電圧対応のパワー半導体を開発したと発表したことが材料視されました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は106円安となりました。先週末の米国市場がクリスマスの振替休日で休場となり材料に乏しいなかで買いが先行しましたが、100日移動平均線(28,799円)をわずかに上回ったところで伸び悩むと売りが優勢となりました。しかし、様子見ムードも強く下げ渋りました。底堅さをみせるなか海外勢も徐々に休暇から復帰するとみられることから大納会に向けて残り3日間の取引に期待したいところですが、上値抵抗線として意識されやすく本日も上値を押さえられた100日移動平均線や200日移動平均線(28,829円)を超えてさらに水準を切り上げ節目の29,000円を回復して今年の取引を終えることができるかがポイントとなりそうです。

なお、小売り企業を中心とした2月決算企業の第3四半期決算発表がスタートしていますが、本日も引け後にアダストリア(2685)やしまむら(8227)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)