豪雨に見舞われるも米国株式市場は上昇

先週米国では、南部ルイジアナ州から北東部へ移動し、強い竜巻や豪雨で猛威を振るったハリケーン「アイダ」により、証券取引所があるニューヨーク市でも突発性集中豪雨で各地が浸水するという非常事態が起きました。殆どの地下鉄や鉄道の運行が止まり、道路も緊急車両を除いた一般車両の通行が禁止されました。9月1日にニューヨーク市で洪水警報が発令されましたがこのようなことは今までで初めてのことだそうです。私の友人宅でも地下が浸水し、一晩中水のくみ上げを行っていたと聞きました。

このような状況下でしたが、株式市場はお構いなしで上昇しました。
S&P500は7ヶ月連続で上昇し、8月を終えました。年初からのS&P500の上昇率は20.4%です。2021年はドル高ですので、私達日本人にとっての円建てのリターンは28.2%となります。同指数は9月2日(木曜日)にも史上最高値を更新しました。一方、ナスダック総合指数は金曜日に15,363で史上最高値を更新しました。

この様な環境において先週買われたのは年初からS&P500を大きくアンダーパフォームしてきたアップル(AAPL)やアマゾン(AMZN)のような大型の長期成長(グロース)銘柄でした。

雇用統計はテーパリングの先送りを示唆

9月3日金曜日に発表された雇用統計は23万5000人増と事前予想の73万3000人増を大きく下回り、過去7ヶ月で最も少ない増加にとどまりました。これは経済成長の減速を意味するため、9月21、22日に予定されている米連邦公開市場委員会(FOMC)での、資産購入の段階的縮小(テーパリング)の開始の検討が先送りされることがほぼ確実になりました。

第3四半期の決算発表:バリュー銘柄は、グロース銘柄の業績の伸びを超える見通し

このような経済回復の見通しが定かでない環境では大型成長銘柄が買われやすいと考えます。では経済回復の恩恵を受けるシクリカル的なバリュー銘柄が全くダメかというとそういう訳でもないと思います。10月の半ばから本格化する第3四半期の決算発表では、グロース銘柄のEPSは前年同期比で26.9%の増益となる中、バリュー銘柄は28.7%の増益と、若干ではありますがグロース銘柄の業績の伸びを超える見通しだからです。

今後の米国株式市場の見通しや個別銘柄動向については、今週水曜日(9月8日)20時から開催するYou Tube Live「米国株マーケット情報&個別銘柄コメント」をご覧ください。(You Tube マネックスオンデマンド [マネックス証券]より今後のライブストリームをご参照ください。)